都営バス資料館

Z代(S47)-総括

総括 いすゞ 日野 三菱 UD

特徴

 4回に分けて導入された。前期車のうち、1回目導入は特殊車である電気ハイブリッドバスである。10月下旬に入籍し、翌11月12日から本格的に営業運行を開始した。
2回目となるZ401~555・600~633は9月末・10月末の2回に分けて一斉に導入された。昭和47年11月は江東区を中心に都電が荒川線を残して全廃されたため、都電代替として大量に導入された。葛西の日野は名義上は9月末日入籍となっているが、葛西の開設(10月)まではどのような扱いになっていたのかは謎である。江東分の日デは10月末に入籍した。その後、3回目としてZ556~563が12月中旬に、4回目としてZ564~577が昭和48年3月中旬に導入された。
 一般車は、渋谷・杉並・練馬・大塚・新谷町・江東・目黒・滝野川・深川・葛西・青戸の11の車庫に計206輌が導入された。そのうちの多くは都電代替分として江東・葛西の各営業所に配置された。
 この年度は昭和38年度から始まり、昭和42年から本格的に行われた都電・トロリーバスの廃止に伴う代替バスの新設増強の最終年度にあたる。葛西営業所は城東地区の都電代替系統を主に担当する営業所として昭和47年10月に開設されたもので、このZ代が開所とほぼ同時に投入された第一期生となる新車であり、66輌の大量導入となった。また、同時に都電代替を担当する江東営業所にも85輌という同一年度では最多数となる新車が入ったが、他の車庫では1輌や2輌という試験導入的な部分もあり、前年度に比べてメリハリのある導入模様となった。
 前年度に試験的に導入された低床車8輌に続き、代替バスを中心に低床車が150輌導入され、日産ディーゼル・三菱も新たに低床車を導入して4メーカーの低床車が揃った。また、自動車公害が社会問題としてクローズアップされる中、4輌(EHCK:いすゞ)の電気式ハイブリッドバスも導入された(詳しくは、いすゞの項を参照)。また、昭和45年より廃止していた背面の方向幕窓が三菱車(Z564~Z577)より復活した。なお、他車は引き続き通称「弁当箱」と呼ばれる小型の簡易な幕窓のない車は前年度以前のW代・X代・Y代を含め将来的には後面方向幕窓を設ける予定であり、電気配線等は既に準
系統幕が登場時より背面に装着されていた。なお、後面方向備されており、車内の後面方向幕窓内側は、のぞき窓が無い状態だけになっていた。なお、この部分には上記の配線を利用したのか、電気コンセントが付いていた。これらの理由から、簡易な後面方向幕「弁当箱」が登場した。また、前年度の試験導入のY代低床車では座席が設けられていた前扉すぐ脇の最前列の座席は廃止され、この場所に用具箱が設けられた。
 また、各車種共通の主な変更点としては出入口脇にある側面ワンマン表示窓が低床車より廃止され、表示板式へ変更された。
 特定専用車の導入も開始された。昭和42年より肢体不自由児の通学・通園輸送を主とする特定輸送は開始されていたが、使用する車は経年観光車か路線車のお下がりであった。そのような中で、車椅子でもそのまま後扉から乗り込めるリフト設備を持った車が新規に製造され、導入されたのは一つの重要な出来事といってよいだろう。なお、この年度に導入されたのはいすゞのみ2輌であった。

初期配置

メーカー 車体 型式 備考 A
品川
M
目黒
B
渋谷
C
新宿
X
八王
D
杉並
W
青梅
E
小滝
T
早稲
F
練馬
G
大塚
P
巣鴨
Y
志村
N
滝野
H
千住
K
新谷
Z
青戸
L
江東
R
江戸川
U
今井
V
江戸
S
深川
総計
いすゞ 川重 BU05 4 4
BU06改 15 15
EHCK480 ハイブリッド 2 2 4
富士 BU05 4 4
BU10 特定 2 2
いすゞ 集計 17 8 2 2 29
日野 帝国 RE100L 2 1 66 69
三菱 三菱 MR410 14 14
MR410改 1 1 2
三菱 集計 14 1 1 16
日デ 富士 4R105 34 34
4R105改 1 8 51 60
日デ 集計 1 8 85 94
総計 2 14 1 1 17 8 8 1 1 85 2 66 2 208

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