都営バス資料館

令和元年度決算の系統別収支発表、新型コロナの影響で全体的に減

令和2(2020)年10月下旬に、交通局のサイトにて平成31(2019)年度決算による系統別収支が発表された。
各系統の収入・支出・乗車人員・営業係数(100円を得るためにどれくらいの経費が必要か)が明らかになっている。なお、受託系統扱いとなっている[急行06](森下駅~日本科学未来館)、[江東01](潮見駅~木場・辰巳循環)は対象外となっているまた、[都02乙](池袋駅東口~一ツ橋)のように過去の経緯で[都02](大塚駅~錦糸町駅)にまとめられている系統も存在する。以前の公表時と同じく、青梅管内などの自治体の補助を得ている系統は補助前の収支となっている。
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昨年度はインバウンド・都心回帰需要にも支えられ順調だったが、2月から新型コロナウィルスの影響で大幅に乗客が減ったことで年間成績にも大きな影響を及ぼした。1日あたりの乗客数TPO3の2万人/日超は前年度と同じで順位は変わらないが、多くの系統で収支が悪化している。前年度から乗客減なったのは対象の129系統のうち90系統と7割以上となり、赤字は102系統で前年度から18系統増えている。なお、営業係数の最下位は通院系統として開業したばかりの[練68](練馬駅~目白駅)だった。
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乗客が顕著に増加した扱いなのは豊洲市場に移転した[市01](新橋駅~豊洲市場)のみで、全体的に大きな影響を及ぼしたことが分かる。収支が悪化した系統では、[都01](渋谷駅~新橋駅)・[学03](渋谷駅~日赤医療センター)のように収入が減ったもの、[都05]のように収入は横ばいだがダイヤ改正による増便で支出増による悪化など、いくつかのパターンに分けられる。前者は今年度の収支も引き続き悪化が目立ちそうだ。
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逆に、コロナの影響をあまり受けなかった系統としては、[門33](豊海水産埠頭~亀戸駅)・[錦28](錦糸町駅~東大島駅)・[里22](日暮里駅~亀戸駅)や、はとバス委託の系統などが挙げられる。学生利用が少な目で、地元利用客が目立つ系統は比較的影響が少なかったのだろうか。
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乗客数のトップ3は昨年と同じく[都07](錦糸町駅~門前仲町)の21,177人/日、[王40](池袋駅東口~西新井駅)の20.907人/日、[都02](大塚駅~錦糸町駅)の20,068人/日となり、前年度と順位は変わらない。
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乗車人員下位についてもさほど変動はないが、上位と比べると増減がはっきりしている。波は出入庫の削減分? [S-1]も減便の影響。学バスはコロナの影響が大きいのだろう。昨年と同じく[直行02]が最下位。そもそも本数が限られるためだが、一応増えてはいる。
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収支係数が100以下の黒字系統は27系統(前年度44系統)と悪化し、赤字5千万円以上の系統は28系統(前年度13系統)と大幅に増えてしまった。
収支の黒字額はトップの3系統で8億円/年を稼いでおり、赤字の少ない系統を相殺しているものの、前年度に比べると相殺できる範囲も少なくなってしまっている。収支が悪化した系統では[王40](池袋駅東口~西新井駅)、[都07](門前仲町~錦糸町駅)、[都05](東京駅南口~東京ビッグサイト)など幹線が目立ち、[学03]のように赤字転落した系統もある。赤字で1億を超えるような系統は[里48][梅70]と[品98][陽12][海01]と湾岸部が目立つ。[海01]は収入減、支出増と先行投資をしたところにコロナで影響を受けてしまったところだが、有明への移管でどの程度改善するかが気になるところだ。[陽12](東陽町駅~豊洲市場)・[錦13](錦糸町駅~晴海埠頭)は赤字の絶対額が目立つが、今後改善に動くのだろうか。
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以下に総表と乗客数(1日あたり)・収入(年間)・収支(年間)・営業係数のランキングを掲載する。


▲乗客数、収入額、営業係数のランキング上位・下位


▲黒字額のランキング上位・下位

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