都営バス資料館

令和4(2022)年春改編~S-1・東20・波01出入廃止、深夜バス休止など

交通局は、令和4(2022)年4月実施の路線改編の内容を発表した。廃止系統があることから、従来よりも早いタイミングでの告知になったと思われる。深夜バスは4月4日より運行を取りやめとのことで、4月1日(金)の深夜も運行される見通し。それ以外の系統は3月31日の運転が最後となる。
新型コロナウィルスの影響による乗客・収入減からの収支改善を目的として、廃止しても影響が少ない部分の削減や効率化が中心となっているが、夢の下町など一時期の看板政策だった系統も姿を消すことになった。
これ以外にダイヤ改正が出てくると思われるが、そちらについては別途ダイヤ改正の記事を参照。
.
同時に一部の系統で営業所の移管が行われる。


▲改編予定図 (openstreetmap contributors)

廃止・休止

出入を含めて3系統が廃止、また深夜バス3系統が休止となる。深夜バスだけ「休止」となっているのは将来の復活に含みを持たせているからだろうか。都営バスではあまり見ない表現となった。

S-1

東京駅丸の内北口・上野松坂屋~錦糸町駅の全線が廃止となる。平成20(2008)年に開業した新たな試みの観光系統で、銀色のSF風味な改造専用車での運転が有名だった。
平成23(2011)年以降はほとんどが上野松坂屋~錦糸町駅の運転で、秋葉原や日本橋を走るのは土休日の4往復のみとなっていた。
toeibus.com/wp-content/uploads/2022/03/39f605f2b6a64be35930c608a8546e13.jpg">

▲日本橋の専用車時代(2008年・五)、一般車の運転(まるふわ)


▲交通局のお知らせ

.
スカイツリーの需要も一段落した後は観光系統というより利用者層が下町を走るローカル系統のようになり、近年の専用車除籍後は一般車での運転となっており、観光系統の名残は車内放送と系統番号という程度。赤字で減便が続いており、都心区間以外は[上23](上野松坂屋~平井駅)・[都08](日暮里駅~錦糸町駅)でカバーできるので効率化の対象となったのだろう。

東20

東京駅丸の内北口~錦糸町駅の全線が廃止となる。平成13(2001)年に開業した新しい系統で、東京都現代美術館へのアクセス向上を狙って設置された。当初は東京駅側からの折り返しが多く設定され、夜間開館日は終車延長するなどの意欲的な設定も見られたが、平成17(2005)年のはとバス委託後はローカル輸送の色が濃くなり、美術館が長期休館になるとともに乗客も落ちこみ、改正のたびに減便されていった。
.
木場駅までは[東22](東京駅北口~錦糸町駅)が並行するが、続行で走ることも多く、せっかくの設定を活かしていなかった感じも見られたが、今回で全廃となった。また、東京都現代美術館の構内停留所(南行)はそのまま廃止となる。

▲開業当時の姿(2001年)、最近の東京都現代美術館にて(ゆる)


▲交通局のお知らせ

波01出入

路線図に載らなかった有名路線で、品川駅港南口からレインボーブリッジを経由して東京テレポート駅まで至る。平成18(2006)年に開業の[波01](東京テレポート駅~中央防波堤)が港南(当時)担当のため、出入庫をサービスで運転したのが由来。
.
平成25(2013)年の[虹01](浜松町駅~東京ビッグサイト)廃止後は都営バスで唯一レインボーブリッジを渡る営業路線となっていたが、本数が限られるため路線図には非掲載だった。品川に移管されて運転を続けていたが、平成31(2019)年の有明営業所開設で出入で使う運用の大半が有明に移管されたため出入庫の本数が激減、1日3往復にまで減ってしまった。そして品川のお台場エリア撤退とともに姿を消すこととなった。
レインボーブリッジを渡るバスとしては、ケイエムのお台場レインボーバス(品川駅港南口~お台場循環)が1時間に3本程度運転されており、一応の代替となる。
.
なお、本線の[波01]には影響はなく、こちらは今まで通り運行される。

▲港南本体所管時(2009年・芝浦埠頭、アーク)、レインボーブリッジを渡り切る(鋼管)


▲交通局のお知らせ

深夜バス(深夜01, 10, 14)

新型コロナウィルスは深夜の乗客数に大きな影響を与えた。他では深夜バス関連を全休とする事業者も目立つ中、都営バスは従来の運行をほぼ維持してきたが、ついに減少幅が大きいと思われる3系統が休止となる。
.
[深夜01](渋谷駅~新橋駅北口)…[都01]の深夜バス。駅~住宅地ではなく夜の繁華街を結ぶルートは都営ならではだったが、その分乗客減も激しかった模様。
[深夜10](西葛西駅~臨海町2団地循環)…[西葛27]の深夜バス。他の駅~住宅地の深夜バスに比べると需要が少なくなっていたようだ。
[深夜14](東京駅八重洲口~深川車庫)…[東16]の深夜バス。平成29(2017)年に開設したばかりだが、有楽町線・大江戸線でのカバー範囲が広いため乗客は少な目だったようだ。

▲[深夜01] 西口到着時の姿、[深夜14] (観)

▲交通局のお知らせ

新設

[都03-2]

四谷駅~東京駅丸の内北口を日比谷経由で結ぶという驚きの新路線が開設される。東京駅北口から南側に発車する系統は昭和54(1979)年廃止の[東91](東京駅北口~品川車庫)、58(1983)年廃止のミニバス[東01](東京駅北口~新橋駅)以来となる。
.
意図が謎だが、[S-1][東20]で東京駅北口の停留所が1つ空くのでそれの確保や、四谷駅側の単独区間の本数を確保して、[都05]でカバーできる晴海埠頭側を削っても影響が出ないようにする目的もあるのだろう。


▲交通局のお知らせ

▲現地掲示

変更

[学01]→[上01]、[学07]→[茶07]

元祖・学バスが姿を変えることになった。東大構内を発着する系統が一般路線化し、系統番号を変更、運賃が一般路線と同じになり途中停留所にも停まるようになる。
.
昭和24(1949)年の開設時は学生の利便性を図って一般系統の半額で急行運転という設定だったが、昭和50年代の財政再建で一般系統の30円引きに固定化され、現在は一般210円に対して180円と多少安い程度になっていた。それに加え、新型コロナで学バスはいずれも大幅に乗客が減少しており、東大病院の客が目立って通学生の割合が低いこれらの系統が収支改善のやり玉に挙がったと思われる。
.
見返りに途中停留所にも停まるようになり、[上01]は湯島三丁目・湯島四丁目など、[学07]は外神田二丁目などが新たに使える。なお御徒町駅前のみ目の前は通るが停まらないようだ。

[学01][学07]の表示も見納め (五)(s.n)


▲交通局のお知らせ

品99・田92・浜95

品川駅の東西を結ぶ環状四号線(白金台~高輪台~品川駅北側)とリニアの建設工事に伴って品川駅港南口の北側、芝浦中央公園入口付近の道路が通れなくなるため、この区間を通る3系統が経路変更となる。
.
[品99](品川駅港南口~入管・品川埠頭)は品川駅方面のみインターシティ前の[浜95]の乗り場付近に新たに降車専用を作り、港南一丁目・芝浦中央公園入口には停まらなくなる。なお、品川駅発はコクヨ前の乗り場で変わりない。乗り場と降り場が大きく離れるので要注意。
[田92][浜95](品川駅港南口~田町駅・東京タワー)は品川駅発の経路が変わり、芝浦中央公園入口には停まらなくなる。また、港南一丁目は旧海岸通り上に移設となる。
このため、芝浦中央公園入口停留所は停まる系統がなくなり廃止となる。

移管

担当営業所・支所の変更が以下の系統で行なわれる。いずれも4月1日付。
[都04](東京駅南口~豊海水産埠頭)は昨年の11月に有明が一部ダイヤを担当し始めたが、今回で江東が撤退し全て有明管轄となる。[海01](門前仲町~東京テレポート駅)も品川撤退で全て有明担当となり、有明の所要台数は大幅に増えそうだ。[高71](高田馬場駅~九段下)は久々のはと委託支所どうしの移管となる。
なお、いずれも抜本的なダイヤ改正は行われず、ダイヤ自体はそのままとなる。

[海01]…有明・品川→有明に変更
[都04]…江東・有明→有明に変更
[高71]…杉並→杉並・新宿に変更

停留所名の変更

以下の停留所名が変更となる。スポンサー絡みの変更が目立つが、日本ユニシスは[豊洲01]とそれ以外とで離れていたのがついに別名となる。いずれも4月1日からの変更。
.

  • 東京音楽大学前→南池袋一丁目 [池65][池86]
  • 日本ユニシス本社前→春海橋 [業10][錦13][東15][東16]
  • 日本ユニシス本社前→第二公園 [豊洲01]
  • 水道局管理事務所前→芝浦水再生センター前 [田92][浜95]
都営バスの"非公式"総合ファンサイト。

※趣味的な事柄に関する現場(営業所等)への問い合わせは
 業務の大きな迷惑になりますので、お止め下さい。
Return Top