都営バス資料館

令和2年度決算の系統別収支発表、新型コロナの影響で黒字わずか6系統

令和3(2021)年10月下旬に、交通局のサイトに令和2(2020)年度決算による系統別収支が発表された。
各系統の収入・支出・乗車人員・営業係数(100円を得るためにどれくらいの経費が必要か)が明らかになっている。なお、受託系統扱いとなっている[急行06](森下駅~日本科学未来館)、[江東01](潮見駅~木場・辰巳循環)は対象外となっているまた、[都02乙](池袋駅東口~一ツ橋)のように過去の経緯で[都02](大塚駅~錦糸町駅)にまとめられている系統も存在する。以前の公表時と同じく、青梅管内などの自治体の補助を得ている系統は補助前の収支となっている。
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昨年度は緊急事態宣言に代表される新型コロナウィルスの影響で20%と大幅減となった。特に初回の緊急事態宣言のあった5月前後は50%近くの減少で、その後は幾分回復しているものの、通年で大きな影響を受けた。これにより、黒字系統数は6と大幅に減少(令和元年度は27、平成30年度は44系統)。1日あたりの乗客数は大きな入れ替わりはなかったが、令和元年度に3系統あった2万人/日超の系統はなく、1万人超も8系統と寂しい結果となった。
なお、地域によって減り方は大きく異なる。全体的に山手線内、通学関連、湾岸部が大きく成績を落としているのが特徴。
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乗車人員の下位も基本的には前年と似るが、[渋88][宿75]が影響を受けてワースト30に入り込んでいることが分かる。[CH01][AL01]など減少幅の大きい系統も。乗車人員の減少率で見ると、[葛西21](葛西駅~葛西臨海公園駅)がもっとも減少率が少なく、
減少幅が大きいのは通学・通勤(テレワーク)絡みの系統で、学バスでは[学02]がワースト。意外と大学利用が多かったことが分かる。
減少幅が少ないのは日常利用が多い、現場系通勤が多い、シルバー率が高いなどの理由が挙げられる。
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営業係数で見ると、乗客減の影響を大きく受けた系統は大きく成績を落とし、[都01]は圏外に飛んでいってしまった。[品99]の圧倒的パワー。.
逆に、コロナの影響をあまり受けなかった系統としては、[門33](豊海水産埠頭~亀戸駅)・[錦28](錦糸町駅~東大島駅)・[里22](日暮里駅~亀戸駅)や、はとバス委託の系統などが挙げられる。学生利用が少な目で、地元利用客が目立つ系統は比較的影響が少なかったと考えられる。
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また、実際の収支額の大小を見た場合、ワースト3が幹線系統で減収分がごっそり赤字の[都05][海01][都01]。それぞれ3億ずつ。それ以外も黒字だった幹線系統が最下位近くに並ぶ。10月のはとバスを中心とした改正で影響の大きい系統は減便を行ったが、来年度の減便があると思われ、今後どうなっていくだろうか。
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以下に総表と乗客数(1日あたり)・収入(年間)・収支(年間)・営業係数のランキングを掲載する。
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