都営バス資料館

都営バス車輛の基礎知識

東京都交通局は、一般路線車を1,450輛超のほか、コミュニティバス用路線車、貸切車、運転訓練車などを保有し、公営バスでは日本最大の事業者となっている。(平成30年現在)
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導入メーカー・導入車種について

 公営ゆえ、国内4メーカーのバスを満遍なく導入しており、昭和20年代後半から長らく、渋谷であれば三菱、江東であれば日産ディーゼルというように、車庫ごとに配置する車両のメーカーを固定していた。それに加え、昭和50年代から平成ヒトケタまでは架装するボディも車庫ごとに固定されていた。
 低床・ノンステップバスや低公害バスを中心に既存のメーカー配置にとらわれない導入が進んだ。平成16年度からは新車を一括で入札にかけるようになり、車庫にかかわらず同一のタイミングであれば同一メーカーの車を関係なく導入するようになっている。
 貸切車は必要最低限度となる5台のみ保有している。かつては各営業所に1~2台ずつ一般路線車と同じくメーカー別に配置されていたが、平成3年度より導入年度ごとにメーカーが固定されるようになった。それ以降は減車が続き、平成14年度からは渋谷・南千住の2車庫に集約されて現在の姿になった。
 これ以外には、特別支援学校の輸送を中心にリフト付の特定車を90台近く保有して特定輸送事業を営んでいたが、民間業者の台頭で減車が進み、平成19年3月限りで事業が廃止された。その後は車椅子のスポーツ大会が開催された時に、選手輸送用に2回ほど一時的に再登録されたものの、現在は
在籍していない。
untitled ▲特定車

局番について

 都営バスの車両には、車両を識別するための「局番」がそれぞれ付けられて車体にも表示されている。購入年度が重視され、その局番の年度を表す文字を用いて「[b]V代[/b]」のように呼ぶのが一般的になっている。「年度を表す局番」については、「局番」の項目を参照のこと。
年度の中で発注を分けることも多く、近年は1年度に2回、一般ディーゼル車と低公害車で1回ずつ導入される例が多い。例えば、平成22(2010)年度であれば1回目は日野車のハイブリッド、2回目は三菱車のディーゼルという具合である。年度内で2回であれば、(V代)前期・後期と呼び分けることもある。
 あくまで発注による区分のため、同じ導入回でも長期間にわたる場合がある。例えば、V代2回目の三菱車は平成22年10月~11年3月まで半年にわたって導入が続いた。1回目の日野車は9月~10月で、1回目と2回目の間は数日しか離れていない。
 20世紀までは1回の導入時期は1ヶ月程度にまとまっていたが、最近は長期間にわたる傾向がある。また、購入年度であるため、事情によっては年度をまたいだ4月以降に導入されたり、年度前に賃貸借扱いで導入されたりした例も存在する。

路線車の仕様と歴史

 都営バスにおける一般路線車の基本的な仕様は、前・中扉でホイールベース(前後の軸距)が4,800mm前後の大型車で、一般的に言う短尺車がほとんどを占める。

 昭和38年度(G代)よりワンマン対応バスが試験的に導入され、翌64年度(H代)より新車の全車がワンマン対応となった。昭和46年度(Y代)より乗降の改善を目的としていわゆる標準床より低い都市型低床が試験的に導入されて昭和49年度(A/B代)の新車より全車対応、さらに昭和54年度(G代)には冷暖房車が導入され始め、翌昭和55年度(H代)からは全車が冷暖房車となり、同時に前面・側面の行先表示機が大型化し、今のサイズとなった。
 昭和59年3月(M代)からは後の車両データのページで述べる中4枚折戸や上段引き違い・下段固定の逆T窓が目立つ豪華仕様の都市新バス仕様車も導入され始め、昭和63年度(T代)より青梅を除く大型一般車も中扉は4枚折戸が標準となった。平成2年度には全車冷暖房化を達成している。
 公営事業者のイメージリーダー的な側面を持つこともあり、低床化・低公害化も積極的に進められている。低床化は平成3年3月(W代)に3扉と側面の横長の行先表示機が特徴的なスロープ付き都市型超低床バスを4メーカー導入した後、平成3年度(X代)からは前中扉のリフト付き低床(ワンステップ)バスを継続的に導入し、平成7年度(B代)からは乗降時の車体を傾けるニーリング機能を持ったワンステップバスの車高でツーステップの車とした「らくらくステップバス」を多く導入した。
car_003 ▲都市型超低床バス(塩)

 平成8年度(C代)からはノンステップバスも導入を始め、1999年度(F代)以降は一般路線車の新車全てがノンステップバスとなっている。これ以来、中扉は引戸仕様に戻った。その後も置き換えが進んだ結果、平成24年度で一般路線車はノンステップ100%を達成している。
 低公害車も様々なものを導入した。大気汚染が問題視された高度成長期、その対策として昭和47年度(Z代)にいすゞ車の電気ハイブリッドバスが試験的に導入したものの、コンセプトと当時の技術のギャップで芳しい結果とはならず早期に除籍された。その後、技術の進歩とともに平成3年度(X代)には日野の電気ハイブリッドバスであるHIMRが登場し、翌年度からは10台単位で入るようになった。続いて各メーカーのハイブリッドバスも登場し、バラエティ豊かな車が走るようになった。排気ガス中の有害物質を低減させるものとして、平成2年度(W代)に液化天然ガス(LPG)の試験車が運行された後、平成6年度(A代)からは燃料に圧縮天然ガス(CNG)を用いたCNGバスも一気に入り始め、最盛期はハイブリッド・CNGがそれぞれ100輛以上在籍するようになった。
012_02 ▲CNGバス(五)

 平成11年度(F代)からは、一旦低公害車の新車はCNGバスに統一されたが、ガススタンド等のインフラを問わず導入できるメリットが着目され、CNGバスは平成18年度(P代)限りとなり、翌年度(R代)からはハイブリッドバスが各車庫に導入されている。イメージリーダーたる所以か、この4年で既に100台以上が導入され、全国でも有数のハイブリッドバス保有事業者となっており、各地で見ることができる。ハイブリッド車の導入は平成24年度(X代)が最後となり、東京オリンピックを見据えて平成29年度(B代)からは燃料電池車が導入されるようになった。
 このほか、21世紀に入ってからのの先進的な取り組みとして、地球温暖化対策としてのバイオディーゼル燃料の試験や、路面に設置したコイルで充電する非接触給電ハイブリッドバスの実証実験が行われている。
42_sv777_新美 ▲非接触給電バス試験(五)

 行先表示についてはフィルムを用いた方向幕を長らく用いていたが、平成16年度(M代)の新車よりLEDを用いた電光表示が装備された。これに留まらず、その直前の世代であるH・K・L代の車についても平成18~21年にかけて改造が行われ、K・L代は全車(夢の下町専用車を除く)、H代は方向幕の表示コマ数の多い品川・江戸川・深川営業所と青梅支所の車のみ改造され、後に杉並・大塚のH代も改造対象となり、方向幕車は平成29年で引退した。

大型車以外では、運用の効率化を目的として昭和59年度(N代)から青梅・八王子地区を中型車中心に導入が始まり、翌60年度(P代)からは23区内の営業所にも本格的に導入が始まった。一時期は新車の4割を占めた時期もあったが、混雑時の対応が難しいこともあって、代替は大型車となる例が増え、平成12年度(G代)で中型車の投入は一旦終了した。その後は平成20年度(S代)に青梅支所用に中型車が7台入ったのみとなり、平成28年11月に全て除籍された。
s_as813_1 ▲中型車(五)

大型車長(10.5m)・中型車幅のいわゆる「中型ロング」車は、安価にノンステップを導入する目的もあり、H代(平成13年度)からL代(15年度)にかけて多く導入された。しかし、詰め込みが効かないこともあって徐々に閑散路線に追いやられ、M代(平成16年度)以降は前述の中型を除き全て大型サイズとなっており、平成28年現在は大型よりも早期除籍が進んでいる。
h_zh243_1 ▲中型ロング(五)

小型車は昭和48年に東京駅~新橋駅を結ぶミニバスが開業した際にトヨタコースターが13輛導入されたが、昭和58年に成績不振で廃止されて以来自社運行の路線用での在籍はない。その後は平成13年に台東区コミュニティバス「めぐりん」用に7m車が3輛、平成19年に江東区コミュニティバス「しおかぜ」用にCNG仕様のリエッセが1輛導入されたが、事業者移管などで現在はいずれも在籍がなくなっている(しおかぜ用は後に中型車を新規に導入)。

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