都営バス資料館

フルフラットノンステップバスを再び導入?

日経電子版記事の平成28年12月22日付記事によれば、都営バスでは2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会に間に合うよう、フルフラットノンステップバスの規格を定め実用化を目指すとの記事が掲載された。
フルフラットノンステップバスは車輛の後ろまで段差がないノンステップバスで、黎明期に採用された。平成9年に初の試作ノンステップが都営バスに登場した際もフルフラット型であった。しかし、床面を下げるためにエンジン等の機器・部品配置を工夫したり特別なものを用いたりする必要があり、一般のバスよりもかなり高価なものとなった。
後に、安価に製造可能な既存のワンステップバスの床面を切り下げた前中間のみノンステップのバスが登場した。中扉から後ろ側は段差がついており、この方式が日本では主流となっていった。現在は各メーカーともこの方式のバスが標準となっている。

現在のノンステップバスは高齢者の後ろ側への車内の移動がしづらい、乗客が前中扉間に溜まりやすいという課題があり、それに対応すべく、近年の都営バスの車輛ではラッシュ型と呼ばれる座席削減型配置で中扉以後の乗客が動きやすくなったり、最新型のいすゞエルガでは前中扉間のスペースを広くとったりと改善を進めている。
フルフラットは構造自体を見直す必要があるため、全面的な切り替えは難しいが、オリンピックまでに一部の車輛から導入する計画とされている。どのメーカーで導入するのか、どの程度の数を導入するのか気になるところだ。フルフラットは通路から座席面までの高低差はどうしても現行のノンステップより出てしまうので、この処理もどうするかは今後の課題だろう。

また、「都は20年五輪に向け、高齢化の進行や訪日外国人客の増加に対応した都営バスの刷新を進める。つり革の位置を低くしたり、車内の英語表示を拡充したりする計画だ。」と記事のむすびにあるが、それ以外の「刷新」についても今後ニュースとして出てくるのだろう。

過去のフルフラットの例

▲日デ E代(平成10年度)ノンステップ車内[北]
▲いすゞ E代(平成10年度)ノンステップ車内[北]

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