交通局は小池都知事の会見に合わせ、燃料電池バスを3月21日より[都05丙](東京駅南口~東京ビッグサイト)で運行を開始するリリースを発表した。市販車による運行は初となる。
燃料電池バスは燃料の水素を天井に搭載したタンクから車体の燃料電池に供給し、空気中の酸素と反応して発電した電気エネルギーでモーターを動かすバスである。エネルギー効率に優れ、走行時に発生するのは基本的に水蒸気のみと非常にクリーンな乗り物となっている。
経営計画や過去の関連ニュースでも触れている通り、今年度中に2輛が導入予定となっている。豊田市のとよたおいでんバスや昨年度の交通局での実証実験の車は試作車で、市販車としては第一号導入となるようだ。ただし、原則として購入の形をまだ取れない車のため、リースでの導入となる。リース契約は既に交通局との間で結ばれており、2月、3月に1輛ずつ深川に納車された。Responseの記事も参照。
局番は"B101, 102"で、既存のB代車から一周して100番台に戻った。登録番号は「足立230き101 / 足立230か102」とR代(平成19年度)のハイブリッド以来の希望ナンバーを取得した。詳しいデザインは以下のイラストわ参照。車体色は昨年の実証実験と同じく青色とを主体にしたデザインで、後輪部分に東京の景色がうっすらと描かれている。Responseの記事掲載のイラストも参照。中扉は外側に開くプラグドアになっているようだ。車体の尺は10.5mで既存の都営バスの各車と同レベルとなっている。型式は調査中。
表示器はオージ製のフルカラーLED表示器で、側面も短冊形でないフルドットの表示が可能となっており、一気にレベルアップした。
各面のステッカーパーツ(みんくるシール、車いすマーク、ノンステップマーク、都営バス表記)は大きさが違うものの既存の車と同様。各面に「FULL CELL BUS」のロゴが描かれている。
交通局のリリースの写真から読み取れる範囲では、座席は昨年のような堅い椅子で、両側の最前面席はあり。座席定員は中扉以後4列(非ラッシュ型)、両側最前列の席はありで26席となっている(定員77人)。
ダイヤが固定になるかは不明だが、水素スタンドをまだ自前で持っていないことから夜間の補給は考えづらく、早番(朝~昼過ぎ)か中休(朝・夕)のいずれかとなるだろう。[都05丙]は、1輛で見ると2往復-休憩-2往復-入庫というパターンが多く、2輛なら1日に8往復程度の運行となりそうだ。都バス運行情報の「ラッピングバス検索」-「FCバス」でもリアルタイムで運行状況が確認できるとのこと。
これ以外の装備は詳しくは営業開始してからとなりそうだが、初の燃料電池バスということで期待したい。
▲Responseの記事(http://response.jp/article/2017/02/24/291182.html)より。
(2/27追記)
岩谷産業のリリース(http://www.iwatani.co.jp/jpn/newsrelease/detail.php?idx=1281)によると、有明一丁目に3月16日にオープンする水素ステーションにおいて、「2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京都が導入を進めています燃料電池バスへの水素供給拠点の1つとして貢献してまいります」という一文が見える。当面はここで充填を行うのだろう。
有明一丁目の交差点(有明一丁目バス停そば)に面して建っている。同じ土地で平成15年6月に東京都環境局の「水素供給ステーションパイロット事業」の実証ステーションとして運用が始まり、平成27年3月末に一旦運用を終えて商用ステーションへの工事を行っていた。