交通局は令和元(2019)年11月6日、本年の台風19号により大きな被害を受けた福島交通へ都営バス11両の無償譲渡を行うと発表した。
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10月の台風19号により郡山市内を流れる阿武隈川が氾濫し、川のそばにある車庫およそ160両のバスのうち半数以上が水没し、エンジンの不具合などで数十両が廃車になる見込みとなっている。
これにより台風から一ヶ月経つ現在も車不足によりいくつかの路線で運休が続いている。住民生活に必要不可欠なバスの運行に大きく支障をきたしているとして福島県の要請を受けた東京都は、今回の新車で除籍されたバス11両を無償で提供することを決定した。細かい車種内訳については不明。
毎日新聞11月7日の記事によれば、元々は例年通りに除籍車の中古売却交渉をしていたところ、台風の被災で無償譲渡することになった模様。除籍車の無償譲渡は平成23(2011)年の東日本大震災、平成24(2012)年への夕張市への支援以来となる。
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都庁での贈呈式などは行わず、2両がさっそく11月8日に福交整備に到着、入場した。NHKのニュース映像では、渋谷営業所のL710, L701と思われる車が映っている。もう2両も11月9日までに到着予定で、残る7両は今年度内に到着する予定となっている。
これ以外にも福島交通では前年度除籍分のK代(平成14年度)の三菱車についても数両が整備待ちとなっており、郡山では一気に元都営バスの姿が増えることになりそうだ。
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▲かつては「ゆるっ都バス旅」ラッピングだったL710 [Yoshitaka]
▲NHKの記事(台風19号で車庫浸水の福島交通 東京都の無償提供バス到着)より。
最初の2両は映像よりヘッドマーク跡があるため、渋谷の車、またその他の特徴より少なくとも1両はL710と思われる。