都営バス資料館

令和7(2025)年春改編~FL01休止、新宿出入庫各種廃止など

交通局は、令和7(2025)年4月実施の路線改編の内容を発表した。
コロナ禍以降も混雑と乗客増が続いているが、乗務員の不足に対応させて減らせる部分を削り「廃止・休止しても影響が少ない部分の削減や効率化」が引き続き中心となっている。今回は路線の改編は廃止3系統(出入)、休止1系統、それ以外も短縮や土休日運休といった変更が中心となっている。3月28日実施の[波01]海の森延伸についてはこちらを4月1日実施の[梅70]の経路変更はこちらを参照
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これ以外にダイヤ改正が出てくると思われるが、3月17日現在は発表されていない。ダイヤ改正については別記事を参照。

休止:FL01

錦糸町駅~葛西駅を結ぶ土休日運転の系統が休止となる。平成12(2000)年の大江戸線改編で新設され、同区間を走る[錦25]とは一部急行運転や船堀橋経由でのショートカットで区別され、日中も非常に混雑する同系統の補完でまとまった乗客が存在したが、休止となる。ここだけ廃止でないことらも、江戸川営業所の人手不足の面が大きそうだ。
"FL"は「フレキシブル」の略だが、運用の組み方がフレキシブルという意味と思われ、随時臨時便を出す系統であるような意味合いではなかった模様。

廃止:宿74出入・宿75出入・渋88出入

新宿車庫を出入庫で走る3系統がまとめて廃止になる。いずれも運行時間帯は限定的で、実質的な影響が少ないことから全て回送となるようだ。新宿駅西口は近い将来の西口周辺の再開発で今の経路では走れず大回りとなるのが確定的なため、これを機に廃止としてしまったのだろう。[渋88出入]は便乗廃止の意味合いが強そうだが、1日1往復のまま終わることとなった。
新宿車庫の停留所は廃止となり、新宿は営業路線が目の前まで来ない車庫となる。一応[渋66](渋谷駅~阿佐ヶ谷駅)が車庫のすぐ近くをかすめてはいるのだが……。

短縮:豊洲01

豊洲駅から北半分(豊洲一丁目)が廃止となり、東雲・キャナルコート側のみ残るようになる。もともとは100円バス[AL02]として平成12(2000)年に豊洲駅~豊洲一丁目循環として開業し、平成16(2004)年にキャナルコートの街開きにも合わせて延伸し今の形になった。
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ららぽーと側に豊洲駅の出入口ができて徒歩で済むようになったり、他系統で間に合うこともあるのか、近年は北側の本数の減少が著しかった。平成30(2018)年改正で豊洲駅から北側は58回→38回に減少、令和5(2023)年1月改正で18回に、令和6(2024)年4月改正で12回となり、日常利用には苦しい印象となっていた。南半分も大幅に減っており、先行き不安なところだ。

変更:王49折返

令和4(2022)年1月に開院した東京女子医大足立医療センターのアクセス系統として路線再編で、[王49]は平日昼を中心に王子駅~(ハートアイランド/北区神谷町)~医療センター~足立区役所の2系統が新たに設定された。立ち寄ると時間がかかるため、王子駅で等間隔になるように設定したものの病院より東側は間隔が大きく崩れてしまった。また、平成22(2010)年に開設されたハートアイランド経由は乗客が少なかったこともあり、これらを全て廃止し、王子駅~北区神谷町~千住車庫・足立区役所を基本とする平成22年以前のシンプルな体制に戻る。
医療センターへのアクセスとしては、医療センター~足立区役所という折返系統を作って対応するが、本数は多くなさそうだ。駅ともほぼ接続せず、どの程度の需要があるだろうか……?

土休日運休:反94・田99・木11乙

タイトルに挙げた3系統、[反94](五反田駅~赤羽橋駅)、[田99](田町駅東口~芝浦埠頭~品川駅港南口)、[木11乙](東陽町駅~潮見駅)がいずれも土休日の運転を休止する。廃止でないことからも、これもはとバスの乗務員不足という意味合いが大きそうだ。これらはいずれも平日・土曜・休日とも1台(相当)の運用で朝夕のみ運転で、乗客も非常に少ないことから合理化対象となったのだろう。

移管

はとバスの杉並・臨海の人員不足の対応などで、西部を中心に大規模な担当の持ち替えが行われる。[高71]は平成26(2014)年に小滝橋から杉並にはとバス委託されて以来、11年ぶりに直営に復帰となる。委託から直営に戻る系統は都営バスでは初となる。それの玉突きで、[C・H01]は新宿に、[都02乙]は巣鴨に移管され、十数年ぶりに元のさやに戻った感がある。出入庫の削減による運用効率化も兼ねているのだろう。
また、[品97]は新宿が、[錦11]は港南が参入し、[品97]は3支所での共管となる。

[C・H01](新宿駅西口~都庁循環)…小滝橋→新宿
[都02乙](池袋駅東口~一ツ橋)…小滝橋→巣鴨
[高71](高田馬場駅~九段下)…新宿・杉並→小滝橋
[亀23](亀戸駅~江東高齢者医療センター)…江戸川→江東
[品97](品川駅高輪口~新宿駅西口)…港南・杉並→港南・新宿・杉並
[錦11](錦糸町駅~築地)…臨海→臨海・港南

停留所


2か所が変更となる。国立国際医療センターは十数年ぶりの改称で元に停留所が戻る珍しい例となった。

  • 堀ノ内二丁目→杏林大学杉並病院前(堀ノ内二丁目)(渋66・宿91)
  • 国立国際医療研究センター→国立国際医療センター(飯62・橋63・宿74)

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