トヨタ自動車と東京都交通局は、それぞれ燃料電池を今年度から販売・導入するプレスリリースを発表した。トヨタの発表はこちら、東京都交通局の発表はこちら。
導入するのは「トヨタFCバス」と名付けられた車で、型式は不明。平成29年始めに東京都交通局に2輛を販売し、交通局では3月から運行開始予定となっている。導入する営業所や水素ステーションの場所については触れられていないが、今までの試験車の在籍などを考えると深川の確率が高いかもしれない。
交通局のリリースでは「地域交通グリーン化事業」の対象案件となったことが公表された。この事業は国土交通省が公募に対して対象を決定して交付する補助金で、交付要綱によれば新規導入に際しては購入費の1/2の補助が出ることになっている。交付には平成29年2月末までに新規登録が原則必須となっているため、2月までに納車となりそうだ。新聞記事によれば価格は約1億円とのことで、普通のバスの4~5輛分の値段となっている。
車のデザインについては都営バスで試験走行したときのデザインを踏襲しており、天井や前面のライト配置などの流れるデザインは試験車とほぼ同じ。都営バスの塗り分けがどうなるか気になるところだ。トヨタによれば、この車はトヨタブランド「トヨタFCバス」として発売するとのことで、昭和55年度のミニバス以来30数年ぶりのトヨタ車導入となりそうだ。
車体のスペックは詳しくはトヨタのリリース参照のこと。車長10,525mm、幅2,490mm、高3,340mmとなっており、日野ブルーリボンハイブリッドの10,550mm、2,490mm、3,280mm(V代)とほぼ変わらないサイズとなっている。乗車定員は77人(座26+立50+乗務員1)で近年の座席削減仕様の座席定員とほぼ同じとなっている。
同じくリリースには「東京オリンピック・パラリンピックでの活用を通じて「水素社会」の実現に貢献するために、2018年からは新型のFCバスによる導入拡大を目指し、鋭意開発を進めている。」とあり、さらにモデルチェンジが予定されているようだ。オリンピックまでに100輛の販売目標を掲げており、東京都交通局の経営計画2016では「平成33(2021)年度までに80輛」という計画を掲げている。かなりの割合を交通局が購入することになるのかもしれない。
▲トヨタ自動車のサイトより(http://newsroom.toyota.co.jp/jp/download/13969562)