平成30(2018)年6月20日、スカニアのfacebookのページで今年秋より29輛導入されるフルフラットノンステップバスの写真が公開された。車体を架装するボルグレンの工場(Volgren Dandenong)で撮影されたものと思われ、記事の説明として初号車が日本に輸送されていること、2018年10月までに完了すること、この類のバスが日本初であること、新型フルフラットノンステップバスにより東京の高齢化社会に応えることが述べられている。
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公開された写真は3枚で、運転席側前方から、扉側後方から、車内となっている。白塗装で仕上げた状態で、これ以降に都営向けの塗装を施すのか、ラッピングにするのかは不明。既にフルカラーLED表示器が付けられて、都営仕様の「回送車」を表示しているのが目新しい。背面の乗降中表示灯も既に設置されているのが見える。
(以下、https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=10156866559313888&id=54429853887より)
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前面は曲面の印象が強いデザインで、VOLGRENのロゴ入り。背面は排気口が天井近くにあるのが目を引くが、ディーゼルのEuro6規制に対応した排出処理装置の都合もあり今までにない形となっている。屋根の換気施設で角ベンチが前面に目立っているのは都営仕様らしさを感じる。バックミラーは扉側3つ、運転席側2つ?で既存の一般車と形は同じ模様。車体長は10.5~11mの間だろうか。
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側窓は燃料電池でも見られたような下部の大型固定窓+上部内倒し?窓になっており、中扉も燃料電池と同じくアウトスライドドアになっているのが分かる。側面の行先表示は中扉直後に設置されている。給油口は扉側の前輪と中扉の間に設置されている。
客室から見通せるリアガラスの部分はなく、車体の後ろ側に機器を詰め込んだ様子が分かる。
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車内は床面が最後尾までほぼ上がっていないのが確認でき、中扉直後の座席も段差がないのは特筆すべきだろう。ラッシュ仕様ではない2人掛け座席中心だが、最後から2列目は後輪のタイヤハウスにかかるためにかなり高くなっており、1.5人掛けになっているのが分かる。ノンステップエリアの運転席側は4列(車椅子時は跳ね上げ)、扉側は優先席になると思われるが横向きか前向きかは不明。前向きだと2席しかスペースがないと思われるが……。
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両側最前列ともに座席がある模様で、推定座席数は23~24席+運転席1。B・C代の22+1席より少し多いが、燃料電池の26席よりは少なくなっている。モケットは幾何学模様の黒色とえんじ色のものが確認でき、標準ノンステップ仕様の「識別しやすい色」として青系が目立つ現在の日本仕様とは一線を画している。優先席の色は不明。
車内の各種手すりは赤色、床面は木目調、降車ボタンはオージ製?、吊り革はボルグレンの標準仕様となっている模様。
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夏から秋にかけて順次日本に輸入されると思われ、試運転が見られる日もそう遠くなさそうだ。
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参考:かつてのフルフラットノンステップバス(H代いすゞ)、現在のノンステップバス(B代)の車内
Special Thanks : H.Yatlerot(Twiiter: @Hamrag_Yatlerot)