昔の都営バスの写真をよく見ると、フロントの前面扉の脇辺りに小さな札挿しがついている車があることに気がつく。これは、どうやら国鉄駅構内に乗り入れる際の入構許可のサボを挿しておくためのものだったようで、営業所によっては付いていなかった。八王子支所では八王子駅・日野駅入構のためか、唯一「エ」プレートを挿していた。
▲渋谷のF代 前面ヘッドライト上に小さな札差しが見える
もっとも、既にこの枠は昭和40年代後半の時点では使っていなかったようで、車体更新などの際に取り外された例も多かった。標準装備としては各メーカーともN代(昭和59年度)が最後となっている。N代でモデルチェンジしたエアロスターはセーフティウィンドウの下の狭い隙間に札差しを作っていたが、この姿も1代限りだった。
同様の装備はタクシーにもあり、国鉄駅に入構許可された車は「エ」印のプレートを付けていた。後に「JR」プレートに変わり、現在は窓にシール貼りしている。
▲八王子のX代 昭和59年頃[櫻]
▲K-N489 全面右下に札挿しが見える[き]