平成29年3月、都電7000形の引退発表に合わせて中央通りに都電の塗装を復刻したラッピングバスが走るイベントが発表された。都電105周年記念に合わせ、交通局が展開する「PROJECT TOEI」の一環として、雑誌「Hanako」(株式会社マガジンハウス)の銀座・日本橋特集号とのコラボレーションとして実施されたものである。
K-L652, 653の2輛がそれぞれ昭和30年代以降の黄色に赤帯(L652)と、それ以前の緑色(L653)のラッピングをまとい、3月23日に荒川車庫で報道陣に公開され、24~26日に銀座~日本橋を17往復34便運行した。24日は午後に、25・26日は午前中に2輛が往復した。
運行は無料ながら事前応募式で、計1,000名の乗車に5,500名の応募があったという。車内ではバスガイドによる案内のほか、当時の切符を模した記念乗車券の配布、広告スペースには7000形の秘蔵写真や当時の切符の展示のほかチンチンと鳴らす電鈴を設置、さらに都電の当時の木床の香りを再現するアロマを車内に設置するといった凝りようだった。
ラッピングも今までにないもので、既存の窓割を無視して都電の車体を再現するという大胆な試みである。それぞれの面のLED表示は隠され、それぞれ1系統(品川駅~上野駅)の行き先としてL652は「三田」、L653は「万世橋」という表示になった。行き先部分にまでラッピングが貼られたのは初めてだろう。
抽籤に外れた応募者のために、3月25, 26日の両日は午後に京橋の再開発施設「エドグラン」にて車内を開放して展示された。25日はL652、26日にはL653がそれぞれ展示された。
今までにない試みで、たった4日間だけのラッピングでは勿体ないということか、行き先の部分だけラッピングを剥がして車椅子・みんくるシールを貼り付け、南千住の一般系統でしばらく運用されることになった。
▲日本橋[きこう]
▲銀座四丁目[M]
▲2台のすれ違い[M]
▲取り付けられた電鈴
▲エドグランでの展示(3月26日)
▲[里48]での運用開始(3月28日)[Yoshitaka]