都営バス資料館

B代(H28)-いすゞ

総括 いすゞ トヨタ B代データ

QDG-LV290N1 [ノン・AT・IS・LED]

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▲P-B735[あむ] b753_ms
▲K-B753[m] b755_am
▲Z-B755[あむ] b766_am
▲R-B766[あむ] b783
▲S-B783
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▲W-B730[北]

 2回に分けて導入され、一次車は大型ノンステップが79輛、渋谷・練馬を除く16の車庫に配置された。また、二次車は一次車と同じ大型ノンステップ18輛で、平成29年3月上旬にまとめて渋谷・南千住に配置された。型式こそ同じだが、幅広中扉やフルカラーLEDなど外見は大きく異なっている。詳しくは後の項を参照。

一次車について

型式は平成27年8月に従来のエルガをモデルチェンジして発売したもので、発売から1年以上たっての導入となった。ボディが角張ったデザインとなり、ヘッドライトのベゼルも旧モデルの片側上下2灯からブルーリボンIIのような1灯に変更となり、あわせてHIDを採用した。エンジンが旧モデルの6気筒エンジンから小型化し、エルガミオで採用しているエンジンにターボを付けた4気筒の4HK1-TCSエンジン(250馬力)にDPDと尿素SCRを搭載した。これは車体重量の軽量化による燃費向上と室内空間の確保を目的としており、平成27年度重量車燃費基準を14トン超車AMTで+10%達成。14トン超車ATで+5%を達成。また九都県市低公害車指定制度の平成21年基準「優」低公害車にも適合している。
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トランスミッションはATとAMT(自動変速式マニュアルトランスミッション)がいずれも6速で用意された。最も低公害なのはAMT仕様となるが、運転操作性を重視して都営バスではATを採用した。
新型エルガの特徴ともいえるのがノンステップエリアの拡大で、そのためにホイールベースが長くなっている。都営バスで導入されていた従来の尺は全長10.4m(ホイールベース4.8m)だったが、今回導入した新型エルガは全長こそ同じもののホイールベースは5.4mとN尺相当となっている。
これに伴いフロントオーバーハングが縮小され、アプローチ・デパーチャーアングル角度(車輛前端/後端から前輪/後輪への角度)が拡大した。これによりワンステップ車と同じ走破性を実現とアピールされている。
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外観

前扉はグライドスライドから2枚折戸になったが、前扉付近の挟み込みを考慮すると詰め込みはA代より効かなくなっている。また、ブレーキ方式は従来の油圧複合のAOH(エアオーバーハイドロリック)ブレーキからフルエアーブレーキに変更されている。
前照灯はディスチャージヘッドライトとなり、アイドリングストップ時にも消灯しないようになっている。
外観では、一部の旧エルガで試験的に塗っていた前窓下の黒塗装帯が採用されたのが特徴的で、右端に局番が書かれている。運転席側の側窓は従来が全て上部引き違いの逆T字窓だったのに対し、2~4枚目がメーカー標準の固定窓になっている。
LED行先の行き先表示はA代と同じく橙色単色のままだ。
前面局番札が扉側にずれて設置され、前面の札差しは省略した仕様が続いている。前面行先表示の両脇は、扉側が標準の車椅子マークが貼られ、運転席側は「みんくる」シールが残った。
また、「おしらせ安全くん」が搭載された。レゾナントと京成バスの共同開発で、前方の左折警告音を流すスピーカーから、運転席のボタンで前を走る自転車への注意喚起を目的として「バスにご注意ください」という音声が流せるようになっている。
なお、深川のB780~783はグリーンアローズのヘッドマークを掲出している。前面愛称板は廃止されているため「ノンステップバス」表示のまま。

内観

車内では、国土交通省が定めた標準仕様ノンステップバス認定要領の改訂に準拠するためにいくつか仕様変更が行われた。
優先席部分を前向き座席にすることで燃料タンクの設置スペースが前扉直後に移り、扉側最前部の座席が廃止された。代わりにパンフレット置き場が中扉脇から移り、寝かせて設置されている。荷物が置かれるのを防ぐ目的もあるようだ。
中扉以後はエンジンの小型化に伴い床の高さが低くなり、室内も高くなった。ただし面積の縮小で中扉以後は運転席側5列(前3列1人掛け)、扉側4列(前2列1人掛け)となった。事業者によって中扉直後の運転席最前列の処理は異なっているが、都営バスでは最前列の部分だけ段をかさ上げしている。そのため、段差の処理が少し複雑になっている。
また、車椅子の固定ベルトが一部は引き出し式となった。車椅子用の跳ね上げ式スロープが新たに出口下に埋め込まれているほか、今までの携帯スロープ板も使えるようになっているが、スロープ板をかける位置に穴がないため、脱落防止用のベルト取り付けが必要となっている。

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▲青梅仕様の車内[北]

中扉以後はエンジンの小型化で床高が低くなり、室内高に余裕ができた。後部室内高は188→192cmに上がっている。ただし面積の縮小で、中扉以後は運転席側5列(前3列1人掛け)、扉側4列(前2列1人掛け)となった。
事業者によって中扉直後の運転席最前列の処理は異なっているが、都営バスではこの部分だけ段をかさ上げしている(上写真)。そのため、段差が少し複雑になっている。椅子はやや硬めながら、樹脂製の汚れにくい新設計シートが取り付けられた。
これらの仕様で座席定員は22人とA代までより4人、非ラッシュ型の~T代より8人も減ってしまい初期型ノンステップ並の少なさだ。なお、青梅仕様のみA代と同じく中扉以降も2人掛け主体となっており、座席定員が確保されている。

入口天井灯と中扉灯は新型LEDになり明るくなったものの、入口側は1か所に減らされて照らすエリアが狭くなっている。

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▲前向きになった優先席
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▲前扉脇のパンフレット置き場

二次車について

 B代の二次車は平成29年3月上旬に渋谷に9輛、南千住に8輛導入された。型式は一次車と同じだが、大きく目立つ点は中扉が幅広になっている点と、フルカラー対応のLED式行先表示機を採用した点である。特に側面は都営バス初のフルドット式が採用された。このLED式行先表示機については都営交通の「新たなバスモデル」にフルカラー式を採用する旨の明言されているため、これに対応したものであろう。
 LEDはオージ製で全てのドットがフルカラー表示可能な仕様で、東京近郊では舞浜のディズニーセレブレーションホテルの送迎で導入している程度だ。型番は前面がDFL-A-1470、側面がDFL-J-740、背面がDFL-C-1240となっている。側面もフルドットになったため、終前・終車枠は前面・背面と同じように、赤や緑のドットが取り囲むような表示となった。当初は白単色での表示だったが、平成29年6月より順次フルカラー表示に切り替えられた。


▲K-B794[Masa]
▲K-B793 フルカラー表示開始後[Masa]

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