都営バス資料館

C代(H29)-いすゞ

総括 いすゞ トヨタ C代データ

2DG-LV290N2 [ノン]


▲K-C250[M] 一次車

▲S-C289[Yoshitaka] 二次車

▲A-C203[YA]

▲A-C203[YA], B-C209[Yoshitaka]

▲F-C246, L-C259[Yoshitaka]

▲P-C224, R-C274[Yoshitaka]

▲L-C285, V-C265[Yoshitaka]

 平成29(2017)年11月から平成30(2018)年2月にかけて一次車が、また3月末に二次車が合計87輛入籍した。車種は前年度のB代同様の新型エルガだが、平成29年7月に発表、同年8月より発売した平成28年排ガス規制適合車を導入した。型式は2DG-LV290N2で6速トルコンAT仕様。排ガス規制記号の1桁目は平成28年排ガス規制適合を表す"2"で、型式末尾の文字もマイナーチェンジしたことにより"2"となった。排ガス規制記号部分の2文字目は燃費基準未達成を示す。
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 エンジンはB代までと同じ4HK1系エンジンを搭載しているが、新たな排出ガス規制適合をクリアするため、4HK1-TCSから4HK1-TCHにエンジン出力が変更された。10PSダウンしたが、エンジン性能曲線図によればトルクについては一世代前の規制車に近いようにも見受けられる。また、同時に排ガス浄化装置であるDPD及び尿素SCRの改良も行われているようだ。変速機は前世代と同じくアリソンT280型を搭載している。走行性能重視か燃費重視のシフト変速パターンが選択可能となり、ケースが小型化された。運転席インパネにもシフト位置表示がデフォルトで表示されるようになった。

▲運転席回り
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 車体部分ではヘッドライトの標準仕様がHID/ハロゲン併用から、LED/ハロゲン併用へ変更された。LED灯採用によりスモールライト(ポジショニングライト)もLED化された。なお引き続きHID/ハロゲン併用も選択可能である。点灯パターンはスモールとロービームがLED(HID)、ハイビームはハロゲンとなっている。なお、都営バスではアイドリングストップ時にはヘッドライトが消灯しないようになっている。路肩灯もLEDタイプを標準搭載しているが、後退灯はハロゲンである。

▲スモール点灯状態
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 室内では、座席上部に設置されている冷風吹出し口つまみ形状が変更されたほか、ノンステップ部の運転席側最後部の床がかさ上げされている部分について改良され、通路の段と同一高さになり、車いす固定装置も改良が行われた。

▲段差部分
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 都営バスではB代と同様、燃料タンクは160リットルで扉側前部分に設置しており、扉側最前部の座席は存在せずパンフレット置き場になっている。尿素タンクはB代一次車同様増設仕様となっており、標準の36リットルに加えて28リットルのタンクを追加搭載した。このため、中扉直後の通路段差部分にアクセルペダル部分増設改造の痕跡が見える。中扉はB代2次車で採用した幅広引戸タイプではなく標準サイズの引戸で導入した。側面窓はB代だとメーカー標準の運転席側前から2番目~4番目の固定窓となっていたのが、全て通常の逆T字(上部引き違い)窓になっている。またフロントガラス直下のへこんだ部分はB代で見られた黒線ではなく、A代までの(旧モデル)エルガ同様に車体色に塗っている。

▲室内
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 C代から新たに搭載された機能として、車間距離計測のソナーセンサーが挙げられる。センサーはフロントバンパーに4個・リアバンパーに2個埋め込まれており、フロントセンサーは前の車との距離が一定距離になると警告音が鳴るが、サイドブレーキを入れているときはセンサーのスイッチがカットされ、警告音は鳴らないようになる。またセレクターをバックギアに入れるとリアバンパーに設置されたセンサーに切り替わり、後退時に壁や車輌に近づくと警告音が鳴る。

▲ソナーセンサー
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 前面行先表示の扉側は他事業者で見られるベビーカーマークではなく、従来通りの車いすマークを掲出している。また、整備の要望などもあり、前扉を開けた際にも車内から局番が確認しやすくするように、前扉に大きく局番を印刷した。前扉脇の手すりが長くなったのも特徴。
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 運転席回りだが、乗務員席シートベルトは2点式を採用。フラッシャーリレーが日工電気の508型フラッシャーに戻り、ウインカーリレー音が以前同様「カッカッ」という音が鳴るようになった。運転席横の引き違い窓にはヒーターガラスを採用し、右側スイッチ類で音声合成システムの放送操作器の配置と「おしらせ安全くん」設置位置に変更が見られるため、慣れないうちは音声合成を操作しようとしておしらせ安全くんが起動することもあったという。
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▲仕切り板、増設ステップ灯

 ステップ灯は従来の運賃箱上部に設置場所を変えたほか、新たに運転席上部にも運転席灯を設置した(上写真)。これは運賃箱上部のステップ灯(LED)だけでは照射範囲が限られるため、運転席が暗いという乗務員からの意見があったのだろうか。運転席灯は個別制御で、ステップ灯スイッチの隣に運転席灯スイッチが並んでいる。この足元灯関連スイッチの下には運転席ヒーターコントロールパネルが設置されているが、ここがバックライト式になり、スイッチ類が判別しやすい光量に設定されている。そしてデフロスターも運転席足元の吹き出し口が調整可能なタイプへ変更されている。この他、温度計が湿度計を兼ねた物に改良された。また、運転席と客席の仕切り板のうち、路線図枠のサイズが広告枠と同じサイズへ変更され配置に若干の変更が見られる。
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 座席はB代と同じく樹脂製で特に変化はない。つり革本体の色が白からクリーム色に変更し、広告枠が廃止された。そして設置方向も進行方向と垂直になるようにB代とは90度違う向きで取付けられた。さらに前扉左側の手すり形状か変更されたほか、車椅子対応は出入口床に格納された跳ね上げ式と手動設置のスロープ板を双方備えるのは変わりないが、格納箱のほうに手すりが追加された。降車ボタンもB代と異なり、B代では押ボタンに「STOP」と表記されていたが、C代では点灯部分にも「STOP」の文字が入るようになった。

▲優先席と追加手すり/つり革/降車ボタン

(室内写真=北)

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