都営バス資料館

G代(S54)-総括

総括 いすゞ 日野 三菱 UD G代データ

特徴

 3回に分けて導入された。1回目はG351~375のうち非冷房車となる車で、昭和54年6月下旬に導入された。2回目は試作冷房車となるG359・360・366・367・369・370・376・377の8輌で、7月末に導入された。最後の3回目はG378~535で、ほぼ全て年度をまたいでおり、非冷房車・冷房車にかかわらず昭和55年4月に導入された。
 この代での大きな特徴は、昭和47年度をピークに年々減少傾向に歯止めがかからない乗客のバス離れへのサービス向上の切り札の一つとしての施策である冷房車の試験導入である。背景として、昭和50年代に入ると生活環境の向上とともに鉄道などでも冷房化が急速に進み、都営バスでは夏場の乗客数の落ち込みが大きかったことがある。路線バスに適した冷房装置の開発が進められるなか、バス用直結式冷房装置が生まれ、都営バスとしても試験的に8輌を導入し、昭和54年8月1日から運行開始となったのである。
 また、後期代からは排ガス規制により「K-」規制記号のつく新型式車が4メーカー揃って導入されたことが大きな変更点である。そのほか、側面に方向指示器灯をつけて巻き込み事故等の対策をさらに進めたほか、中期代で試験導入された冷房車をさらに改良して温水式ヒーターを2基設置(中期導入の試作車も後に追加装備された)して、冬期のサービス向上にも努めようと各車庫に導入し、中期・後期合わせて八王子・青梅を除く全ての車庫に2輌ずつ導入した。
 前期導入では小滝橋・深川・早稲田・葛西・練馬の5車庫に19輌、中期導入では深川・早稲田・葛西・練馬の4車庫に各メーカー2輌ずつの冷房車8輌が、また後期導入では青梅・八王子を除く全車庫に148輌が導入された。後期分では中期導入で冷房車の導入があった車庫以外にも冷暖房車2輌が入り、青梅・八王子以外の全ての車庫で冷暖房車の営業を開始した。
 この当時、一般車はおよそ800万円であったのに対して冷暖房車は1200万円と価格差が大きく、当時の交通局の緊縮財政下ではいきなり冷暖房車に全て切り替えることは難しく、また石油不足ということもあって各営業所の配置は2輌ずつに留まったが、翌年度からはサービスアップのために全車冷暖房車としたため、非冷房車はこの代が最後になった。
 なお、写真の冷暖房車は総てイエローとマルーンの鈴木カラーと呼ばれる塗色だが、登場時は総てスカイブルーとアイボリーの美濃部カラーであり、冷暖房車を非冷房車と区別させる為、後述のH代の登場に合わせ鈴木カラーに塗り替えられたのである。
 特定車はF代に引き続き、増車用として5輌が導入された。数は少ないものの4メーカー揃っているのが特徴である。全てK-の排ガス規制記号のつく新型式で、直結式室内分散型の冷房装置を備えている。貸切車の導入はない。

初期配置

メーカー 車体 型式 備考 A
品川
M
目黒
B
渋谷
C
新宿
X
八王
D
杉並
W
青梅
E
小滝
T
早稲
F
練馬
G
大塚
P
巣鴨
Y
志村
N
北 
H
千住
K
南千
Z
青戸
L
江東
R
江戸川
U
今井
V
江戸
S
深川
総計
いすゞ 川重 BU04V 3 3
K-CLM470V 冷房車 2 2 2 2 8
K-CLM470V 5 5 5 5 20
富士 BU04V 冷房車 2 2
BU04V 5 5
K-CLM470V 冷房車 2 2
K-CLM470V 5 7 7 19
K-CLM470 特定 1 1
いすゞ 集計 7 1 10 7 7 7 7 14 60
日野 日野 RE101SR 冷房車 2 2
RE101SR 1 1
K-RE101WR 冷房車 2 2 2 6
K-RE101WR 14 5 5 7 31
K-RE101 特定 1 1
日野 集計 16 7 7 1 10 41
三菱 呉羽 MP107K-3U 冷房車 2 2
MP107K-3U 5 5
K-MP107K-3U 冷房車 2 2
K-MP107K-3U 5 5
K-MP107K 特定 1 1
三菱 K-MP107K-3U 冷房車 2 2 2 6
K-MP107K-3U 7 5 5 5 22
三菱 集計 7 14 8 7 7 43
日デ 富士 U35H-AR 冷房車 2 2
U35H-AR 5 5
K-U36K-AR 冷房車 2 2 2 6
K-U36K-AR 7 5 5 5 22
K-U36K 特定 1 1 2
日デ 集計 15 8 7 7 37
総計 16 7 7 7 1 7 1 10 14 15 7 7 8 7 8 7 7 7 7 7 10 14 181

other_090i_G419g__630

都営バスの"非公式"総合ファンサイト。

※趣味的な事柄に関する現場(営業所等)への問い合わせは
 業務の大きな迷惑になりますので、お止め下さい。
Return Top