都営バス資料館

×中63

[中63]←分割[橋63]

担当営業所

練馬営業所

運行区間

系統 区間 距離 備考
下田橋~中野駅~新大久保駅~国立病院医療センター 7.306km 京王と共同
出入 練馬車庫~江古田二丁目(池65) 2.680km

年表

系統 年月日 営業所 距離 概要
中63  S54.11.23 練馬 7.306km [橋63]を分割、下田橋~国立病院医療センター(現戸山町)が開通
中63  S63.10.16 練馬 *** 下田橋~国立病院医療センターを廃止

路線概要

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 国立病院医療センター(現国立国際医療研究センター)から大久保通り・中野駅・中野通りを経由し中野哲学堂にほど近い下田橋を結ぶ。路線の大半が民営エリアで、京王との共同運行路線である。
 医療センターは大久保通りから引っ込んだ病院構内にある専用乗り場から発車となっており、大久保通り上の[宿74][橋63]等の停留所には停まらない。なお、停留所名は後の世に交換されて、現在の戸山町バス停に相当する。
大久保通りに出ると分割した[橋63](大久保駅~新橋駅:当時)と並走しながら西に進む。新大久保駅を抜け中央線のガードをくぐって大久保駅の[橋63]降車ポールに停車、この先は関東バスのエリアとなり一気に住宅地の雰囲気となる。東京薬科大学の跡地(昭和51年に八王子に移転)を通過し、東中野二丁目で山
手通りと交差する。ここからは京王バスの[渋64](渋谷駅~中野坂上~中野駅)も合流し、先ほどよりも商店の数が沿線に多くなってくると「堀越学園」の停留所。芸能人が数多く在学することで有名だが、学校は大久保通りから引っ込んだ所にあり直接は見えない。
 そのまま直進し、中野五差路で右折するとまもなく中野駅となる。当時は駅南口ロータリーに京王バスが発着、駅北口ロータリーやガード下に関東バスなどが乗り入れていたが、[中63]はそのいずれでもなく、駅から外れた南口ロータリーの南側の路上にポールが建っていた。やや仲間外れな様子が想像できる。中野駅北口は素通りするが、次の中野区役所前が実質的な北口停留所として機能していた(京王[中92]と同様)。
 中野駅からは京王バス[中92](中野駅~練馬駅)、関東バス[中23/24](中野駅~下徳田橋・中村橋)などと併走し中野通りを北上し、妙正寺川手前の下田橋の停留所で終点となる。下田橋は専用の折返所で転回していたが、そちらについては終点の項も参照のこと。

歴史

 昭和54年11月に都営・京王が共同運行していた[橋63](新橋駅~大久保駅~下田橋)を分割して誕生した路線である。路線長が長い上に片側1車線の道路が多く、定時性に難があるために分割された。
 分割に当たり単純にエリアの境となる大久保駅で分割するのではなく、都営エリアである医療センターまで重複して路線を残したのが特徴である。戸山近辺までの流動があったことや、折り返し場所の都合もあったのだろう。そのため、分割後も引き続き都営・京王の共同運行路線となった。
 しかし、都心・新橋直通という大きな強みがなくなり、中野や新宿へは関東バス・京王バスが頻繁に走っているとあっては、乗客数は低迷する一方であった分割直後は2,100人弱/日いた乗降人員は、昭和62年度には1,200人/日程度に減っていた。昭和62年4月には減便改正され都営・京王が交互に約25分間隔(平日夕、土休昼は20分間隔)となっており、朝ラッシュが存在しないダイヤだったのが興味深い。
 結局、昭和63年10月に全線廃止された。昭和57年の[中77](中野区役所~新代田駅)廃止後に都営バスで唯一中野駅を通る路線であったが、これにより都営バスは中野駅近辺から撤退した。

担当営業所

 [橋63]は小滝橋が持っていたため、分割後も車庫からの近さを考えると担当しても不自然ではないが、[中63]は練馬の担当となった。その時の担当系統のバランスもあるのだろうが、不思議である。
 戦後に数多く設定された都営と民営の共同運行路線であるが、分割しても共同運行を続けたというのは非常に珍しい。完全に撤退という選択肢もあったはずだが、それだけ都営としてもまだ手の内に残しておきたい路線だったのだろうか。

[池65]江古田二丁目行き

 練馬車庫への出入庫は[池65]の練馬車庫~江古田二丁目で行うようになった。時刻表には掲載されず、幻のように現れるバスだったようだ。
 廃止後も[池65]の系統番号は生きているためか、方向幕から消されずに残り続けた。途中の国立中野病院が合同住宅に改称されても表記が直されないままだったが、平成25年の[白61]練馬駅延長に伴う交換でついに消され、名残が消えた。
 なお、相手の京王バスもその当時の車に取り付けられていた幕に残り続け、21世紀に入っても回転中に「医療センター」などの文字を見ることができた。

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