都営バス資料館

井98

[井98]←[品98]分割

担当営業所

港南支所

運行区間・運行回数

系統・枝番 起点、経由地、終点           備考 キロ程(往/復) 平日 土曜 休日
井98甲 大井町駅東口~4号バース~(セントラルビル→)大井水産物埠頭 7.230/5.260km 13 5 5 5
井98乙 大井町駅東口~4号バース(←セントラルビル)~大井水産物埠頭 5.320/7.170km 6 12 5 7


現在

年表

系統 年月日 営業所 距離 概要               
井98甲  H 6. 7.21 品川 7.530/ 6.646km 品98丁(大井町駅東口~セントラルビル先回り大井水産物埠頭)が独立、井98甲とする
井98乙  H 6. 7.21 品川 5.620/ 8.556km 品98戊(大井町駅東口~ニチレイ先回り大井水産物埠頭)が独立、井98乙とする
井98甲  H11. 3.19 品川 7.530/ 5.560km 品98と経路統一、2号バース~ニチレイ間を貨物駅寄りの都道に経路変更
井98乙  H11. 3.19 品川 5.620/ 7.470km 同上
井98甲  H18. 4. 1 品川 7.230/ 5.260km キロ程修正?
井98乙  H18. 4. 1 品川 5.320/ 7.170km 同上
井98 H20. 4. 1 港南 *** 港南に移管、はとバスに運行を委託

路線概要

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 大井町駅と大井埠頭をショートカットして直線状に結ぶ。かつては[品98](品川駅東口~大田市場、品川の項参照)が大井町駅まで来ていたため、大井競馬場・野鳥公園を大回りする[品98]と比べる意味で方向幕には「直通」の文字が入っていた。
 大井町駅を出発すると、[井92]や[井96]と同じく仙台坂を下り、青物横丁から都立八潮高校まで達する。ここで他の系統と別れ、直進して北埠頭橋を渡る。モノレールの下をくぐり、運河を渡ると巨大な立体交差が現れて品川清掃工場の停留所となる。真下の中央の空き地では、首都高中央環状線が完成に向けて工事中である。
 品川清掃工場からは品川から来た[品98]と合流し、ゆるやかな坂を下ると大井埠頭。橋を渡る前のマンションや企業のビルがひしめく風景とは異なり、コンテナのターミナルやトラックが行き交う港湾部の風景に様変わりする。
 ここから八潮二丁目までは[品98]と同じくだだっ広い都道を南下する。中央には岸壁に行くトラックの専用レーンが分離帯つきであり、往復10車線の荒涼とした風景が広がる。
 南下して東京税関大井出張所を出ると次の交差点を左折し、曲がった先の八潮二丁目の停留所で[品98]と別れる。大井埠頭の南端にあたるこの東海四丁目~六丁目のエリアは各企業の物流倉庫が並ぶエリアで、特に大井水産物埠頭の停留所付近では、巨大な白い壁のような建物が並ぶ異色の風景が車窓から見られる。停留所の名前も企業を冠したものが多い。
 [井98]はこのエリアを一周して元に戻る。朝と夕で回り方が変わるため、両回りが存在する。循環途中の大井水産物埠頭の停留所で終点となるが、特に終点らしきものはない。一応終点では乗り通せないことになっているようで、降ろされてしまう。
 大井水産物埠頭の停留所自体は循環部の付け根にあり、朝の大井町駅発はニチレイ、セントラルビル、大井埠頭バンプールとほとんど循環を一周してから水産物埠頭で終点となる。夕は逆回りとなることから、実質的には通勤を考えるとこれでも問題なく、朝の大井町行きといった乗客が少なそうな便をショートカット運行していると見なせる。
 通勤輸送に特化しているため、平日・土曜の朝夕のみの運転である。かつては土曜は朝昼のみの運転であった。

歴史

 大井町駅東口から大井埠頭を今の形態で結ぶ系統は、[品98]として昭和63年に開業したのが始まりである。この間の経緯については[品98]の項も参照されたい。大井町からは従来の[品98]では遠回りであり、通勤需要をとらえたということであろう。大井埠頭側の経路は、当初は往復ともセントラルビル経由であり、今のような循環経路ではなかった。
 平成2年の改編では、本線を含めて経路が見直された。[品98]の本線は大井埠頭の南側の企業倉庫地区では上り下りで大きく経路が異なっていたが、ショートカットと往復の経路の統合が行われた。具体的には、4号バースからニチレイまで直進するようになり、東京税関大井出張所に入らなくなり、ニチレイから大田市場方面は往復ともセントラルビルを経由するようになった。
 この変更により、開通時に経由していた大井水産物埠頭・大井埠頭バンプールは寄らなくなることになったのだが、代替措置として大井町駅東口~大井埠頭について、セントラルビル・バンプール・水産物埠頭を循環するように変更された。これが今の[井98]の原型となったのである。午前と午後で逆回りになるのも現在と同じで、回り方に応じて[品98丁][品98戊]という枝番が与えられたが、さすがに営業案内では使われなかった。
 これが平成6年7月に系統番号のみ再編され、[井98甲][井98乙]となったのである。
 これ以降は路線の骨格は変化がなく、[品98]の項でも述べた経路の変化が平成11年3月にあった程度である。2号バース~8号バースの経路が貨物駅寄りの都道に変更されて停留所名も整理され、この区間も現在と同じ姿になった。
 この時点でダイヤも含めて[品98]とは別個の存在になっており、平成14年2月に[品98]が大井町駅から撤退したときも路線は変更されず、ダイヤも変更なかった。大井町駅の乗り場は[井98][品98]と同じ乗り場から出ていたのと、バスロケ対応の停留所に[品98]の名が残っているのが当時の名残である。
 平成20年春のダイヤ改正で港南に移管され、運行がはとバスに委託された。このときに土曜の運転形態が変わり、朝昼の運転から朝夕の運転に改められた。従来は朝ラッシュが終わると少しだけ休みで引き続き昼間の運転に入っていたが、平日と同じ構成に改められた。
 土曜は午前で終業というのも週休二日制の進展で今や昔の話になったが、この時代までこの形態で残っていたのが驚きともいえる。運転本数は骨格は維持しているものの微減となっている。土曜が開通当時から比べると半減しているのは土曜が休みの企業が増えているからだろうか。

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