担当営業所
港南支所
運行区間
系統 | 区間 | 距離 | 備考 |
本 | 浜松町駅~フジテレビ~テレコムセンター駅(←東京ビッグサイト)~国際展示場駅 | 10.040/10.580km | |
折1 | 浜松町駅~フジテレビ(←東京港湾合同庁舎)~テレコムセンター駅 | 8.950/ 8.450km | 朝夜のみ |
折2 | 浜松町駅~フジテレビ~テレコムセンター駅~東京ビッグサイト | ||
出入 | 港南四丁目~(御楯橋→)潮路橋~日の出桟橋入口~浜松町駅 |
年表
系統 | 年月日 | 営業所 | 距離 | 概要 |
虹01 | H 9. 2. 3 | 目黒・品川 | 10.040/10.580km | 浜松町駅~国際展示場駅が開業 |
虹01 | H10. 2.25 | 目黒・深川 | *** | 品川担当分を深川営業所に移管 |
虹01 | H10. 3.31 | (港南)・深川 | *** | 港南分駐所開設により目黒分は港南分駐所担当となる |
虹01 | H12.12.12 | (港南)・深川 | *** | 目黒の営業所→支所格下げにより、品川営業所港南分駐所となる |
虹01出 | H14.10. 1 | (港南) | 港南車庫→浜松町駅を開設 | |
虹01 | H17. 3.28 | 港南 | *** | 港南を支所に格上げ |
虹01 | H18. 4. 1 | 港南 | 11.100/11.640km | 国際展示場駅発着も含め全便テレコムセンター駅経由に変更 |
虹01入 | H19. 3.26 | 港南 | 浜松町駅→港南車庫を開設 | |
虹01 | H21. 4. 1 | 港南 | *** | はとバスに運行を委託 |
虹01 | H25.4.1 | 港南 | *** | 浜松町駅~国際展示場駅を廃止、出庫(港南四丁目→浜松町駅)のみ[橋86出入]として存続 |
路線概要
浜松町駅からレインボーブリッジを経由してお台場一帯を結ぶ。都心部からのアクセスの場合、ゆりかもめに乗った場合は台場は310円、ビッグサイトまでは370円なのに対してこの系統は均一運賃の200円と安価なため、観光や通勤の固定客も見られる。ほぼ全線でゆりかもめに沿っているが、安さや停留所の多さで対抗しているようだ。
方向幕も都営バスでは珍しい水色地、そして側面にはレインボーブリッジのイラストと手が込んでいる。もっとも、近年のLED化で普通の系統と差がなくなってしまったが……。
起点の浜松町駅バスターミナルは駅に隣接する産業貿易センターの中にあり、東京では珍しい建物の中にあるバスターミナルである。高速バスやはとバスが発着する中、一般路線では唯一の発着系統である。
ビルを出て細い路地を抜け右折し、ここでもう一度浜松町駅停留所に停車となる。分かりやすさのためか、ここから乗車する乗客も多い。
浜松町駅を出発するとJR線と海岸通りの首都高をくぐり、東京湾へと一直線に向かう。突き当りの竹芝埠頭の客船ターミナルを見ながら右折し、左手から上空に走るゆりかもめの軌道の下に合流する。ゆりかもめの竹芝駅の真下に「竹芝桟橋」停留所がある。この後もゆりかもめに沿って南下し、日の出駅、芝浦ふ頭駅近くにそれぞれ停留所(日の出桟橋、芝浦ふ頭駅入口)が設けられている。
昭和末期までは芝浦埠頭の海沿いの貨物線が群をなしていたエリアで、走っている道路も元々は貨物線だった。跡地には倉庫や企業が立ち並ぶが人気は少なく、人の姿がいっぱい見られるのは東京湾大華火の日くらいだろう。対岸から眺める穴場だったが近年ではすっかり有名なスポットのようだ。
なお、浜松町駅行きは道路の都合上、芝浦ふ頭~日の出を海岸通りに迂回するので所要時間が長くなっている。
芝浦ふ頭駅入口を過ぎると中央車線に寄り、レインボーブリッジへの取り付け道路を上り始める。海上にループを描くような形で橋へと達し、ノンストップで橋を駆け抜ける。残念ながら橋は眺めのいい上層部は首都高で、このバスが走るのは下層の一般道だが、それでも取り付けループ部の眺めは都営バスでも上位だろう。
ちなみにこのループ部から橋を渡りきるまではゆりかもめの軌道と並ぶ。運が良いとゆりかもめと並走する姿もバスから見える。軌道は道路の中央にあって檻に囲まれているため、バスのほうがやや眺めは上か。
橋を渡り切るとお台場に入る。上空の軌道に沿うように右折するとお台場のメインストリートとも呼べる道路で、ここからは停留所も密に設置されている。
右折してすぐのお台場海浜公園はゆりかもめの駅と近接し、お台場ほぼ唯一の住居エリアがある。両側に台場フロンティアビル、ジョイポリス、アクアシティ、フジテレビと有名な施設を眺めながら進む。台場駅で道路は突き当りとなり、左折して潮風公園に沿って南下する。
その先の船の科学館を過ぎるとT字路がある。直進するとテレコムセンターを経由する大回りで、左折するとショートカットできる。かつてはショートカットが本線とされ、両方のルートが存在したが、現在は大回りのテレコムセンター経由に統一された。
かといって左折するルートがなくなったかというとそうではなく、朝夜のみ運転されるテレコムセンター駅止まりは折り返しの都合上、左折して反対側からテレコムセンター駅に至る経路となっている。
本線はそのまま直進し、右手に日本科学未来館、左手に湾岸警察署を見ながら南下する。大江戸温泉物語がチラッと見えるところで道路は左にカーブし、曲がった先がテレコムセンター駅となる。船の科学館からここまでは開通当初は停留所がなったが、開発の進展ともに2つも停留所が設けられた。
前述の当停留所止まりのために、浜松町駅方面の乗り場の後ろには降車専用のポールが立っている。
ここから先もゆりかもめに沿って進む。パレットタウンを過ぎると施設も少ないため停留所も少なく、トラックの姿を見かけることが多い。この区間は快調に飛ばすことも多い。
フェリー埠頭入口の交差点を過ぎると、右手にピラミッド型の怪しい建造物が見えてくるがこれが東京ビッグサイト。ほとんどのバスは東京ビッグサイト止まりとなるため、この辺りで右折車線に入り、ビッグサイト正門の交差点を右折して、ビッグサイトのロータリーに入る。バスターミナルも完備されており、ほぼ都営バス専用となっている。
この右折のため、1つ手前の「国際展示場正門駅」停留所はビッグサイト行きは止まらず、浜松町駅行きのみの停車となっている。
説明が前後したが、これ以外にも1日数本だけ走る「国際展示場駅行き」があり、このバスが一応本線というこになっている。フェリー埠頭入口からそのまま直進して、ビッグサイトを右に見ながらゆりかもめに沿って左折し、癌研有明病院を右手に見ながら国際展示場駅のロータリーに入って終点となる。この場合、ビッグサイトへのアクセスは国際展示場正門駅、もしくは次の東京ビッグサイト東棟で下車することになる。
なお、国際展示場駅始発の場合はビッグサイトからの利便性を考えてか、一旦東京ビッグサイトのターミナルに立ち寄るところが浜松町駅発とは異なる。
出入庫はお台場には全く立ち寄らないが[虹01]を名乗る。浜松町駅を出て首都高に当たると右折して海岸通りをひたすら車庫まで南下するという、本線とはほとんど重複しないルートになっている。車庫発は直線海岸通りの北行車線に出られないため、品川駅港南口側を大きく迂回して海岸通りに出るところが異なる。
他の[浜95][田99]といった近隣の系統がジグザグ進むのに比べて一直線になっている。ほとんどが回送でわずかに営業運転されるだけであり、海岸通り上の停留所を使うためだけに存続しているような存在とも言える。
歴史
平成9年に開通した比較的新しい系統であり、ほとんどの区間でゆりかもめと競合している。都営バスが後から参入したことになるが、5~6本/時とかなりの本数を確保し、期待を持っていたことをうかがわせる。当初は目黒と品川の共管であった。
ルート自体は変わっていないが、当初はテレコムセンター駅非経由の国際展示場駅・ビッグサイトと平日朝夕のテレコムセンター駅返しのみで、現在のメインとなるテレコムセンター駅経由のビッグサイトは運転されていなかったようだ。
開通1年後の平成10年2月の改正で品川は撤退して深川に移管し、目黒・深川の共管となった。品川運用分を持ち替えただけで、当時から深川運用分は多くなかった。この改正でテレコムセンター駅経由のビッグサイト行きが開設されたが、平日は1時間に2本程度、土休は1時間に1本程度とかなり少数派だった。このため、テレコムセンター駅経由の便は赤字で経由を示す幕が新たに造られた。
平成10年3月の港南車庫開設に伴い港南分駐所持ちとなった。今までの目黒車庫からの回送と比べるとかなりの時間短縮になったものと思われる。
本線扱いの国際展示場駅行きはこの時点で大幅に減少しており、平日は8往復、土休日は5往復と既におまけレベルの本数である。ビッグサイトへの乗客がメインであり、操車もできるためにビッグサイト止まりが優位になったのだろう。
その後、ゆりかもめに比べて約半分の運賃ということもあり、順調に認知度を上げていき、ダイヤ改正で終バスも30分繰り下げられ、本数も若干増えた。平成12年時点では国際展示場駅発着は平日5往復、土休日3往復と今と変わらないレベルになっている。
しばらくはこの水準で推移したが、平成14年末のりんかい線の大崎~東京テレポート全通が大きな影響を与えた。城南方面からのお台場へのルートの役目も担っていたのがりんかい線に移行した形になり、平成15年4月のダイヤ改正では2割本数が削減され、昼間10分間隔が崩れ始めた。同年11月の改正ではほぼ全便をテレコムセンター駅経由とするかわりに、本数がさらに微減となっている。りんかい線では直接行きづらいところを回る方針に改めたのだろう。この改正でテレコムセンター非経由は国際展示場駅発着の便だけとなった。
その後もダイヤ改正の度に本数が少しずつ削られていき、平成17年3月に続き平成18年4月の改正でも微減。ピーク時から4割減の本数となった。この改正で国際展示場駅発着も含め全便テレコムセンター駅経由となり、方向幕も作り直された。
この時代のトピックとしては、平成12年から平成17年3月の改正まで行っていた金曜のみの始発繰り下げがある。浜松町駅21:20、21:45の2往復が金曜のみ運転され、お台場の少し遅い夜の需要を狙っていた。ただし、りんかい線や並行するゆりかもめ自体はもっと遅くまで走っているため、コストに見合うだけの乗客が定着しなかったのかもしれない。
平成19年の改正では19時台以降~最終の時間帯がテレコムセンター駅止まりとなり、土休日もテレコムセンター駅止まりが運行されるようになった。夜間はビッグサイト付近で乗る人もいないので仕方のない措置だろう。さらに平成20年4月の改正でも本数が削られ、はとバスに運行が移管された。運行拠点は港南のまま変わらないが、赤字系統という扱いであることが明確になったと見るべきだろう。さらに平成24年4月のダイヤ改正ではさらに減便され、昼間は30~40分間隔になってしまった。この時点で廃止を前提にした減便だったのだろう。
お台場輸送の看板系統として活躍したが、ゆりかもめと全線で競合することや、乗客の入れ替わりが少ない中で200円均一という設定に収支上の無理があったのか、本数が減り続けて、ついに平成25年3月限りで全廃された。ただし、同一区間をケイエム観光が運行するkmフラワーバスがほぼ同じ本数で代替運行しているため、最低限の利便性は保たれている。ただし、Suica・PASMOは使えなかったり、バスロケーションシステムがなかったりという不便はあるが……。
なお、出入庫として運転されていたうち、港南四丁目→浜松町駅については、4月以降も平日2本運行されている。これらは浜松町駅前(路上)着に短縮された上で、[橋86](目黒駅~新橋駅・東京タワー)の出庫として運転されているようだ。
出入庫は同じ番号だが……
出入庫はかつては全て回送で、当初港南車庫が開設された当時も浜松町駅~港南車庫を回送していた。開設当時の港南車庫の出庫用停留所の上屋には「浜松町駅行き」が隠されたままになっており、また方向幕も「浜松町駅」が装備されていたが、調整が間に合わなかったのかもしれない。
それが、平成14年10月のダイヤ改正から朝の出庫に限り運転を開始した。本数が減った[浜95](品川駅東口~東京タワー)のフォローという意味合いもあったのだろうか。さらに平成19年春の改正からは入庫も平日夜間に限り営業運転を開始した。
現状でも出入庫のいずれも数本にとどまり、路線図からも無視されている。