都営バス資料館

S-1

[S-1]

担当営業所

南千住営業所

運行区間

系統 区間 距離 備考
東京駅北口~須田町~上野松坂屋~浅草雷門~押上~錦糸町駅 9.713km 土休のみ
上野松坂屋~浅草雷門~押上~錦糸町駅 6.058km

年表

系統 年月日 営業所 距離 概要
S-1 H20. 4.26 南千住 9.763/ 9.223km 東京駅北口~両国駅・都営両国駅が開通
S-1 H22. 4. 1 南千住 8.813/ 9.223km 往復とも両国駅発着に変更
S-1 H23. 7.20 南千住 11.429/11.839km 浅草雷門~両国駅を業平橋・押上経由に変更
S-1折 H23. 7.20 南千住 6.058km 上野松坂屋~錦糸町駅を開設
S-1 H24. 3.20 南千住 9.713km 全便東京駅北口・上野松坂屋~錦糸町駅に変更、両国駅発着を廃止

路線概要

atozk_002  下町を走る観光系統。原則として専用車での運行で、急行運転を行っている。ほとんどの便は上野松坂屋~錦糸町駅の運転で、東京駅北口~錦糸町駅の全区間を走るのは土休日の4往復のみとなっている。
 なお、休日の歩行者天国実施時は須田町~上野広小路の間が迂回運行となるが、停車停留所自体は変わりない。
 東京都交通局が路線車を大改造して専用車輛をあつらえて運行開始した都営バスの観光系統こと「東京→夢の下町バス」。現在は起点の東京駅北口を発着するのはごく一部だけだが、そこから追っていくことにしよう。
 赤煉瓦が映える東京駅丸の内口を背にバスは出発する。車内では次停留所案内と共にその停留所付近の観光案内が流れる。
 JR線のガードをくぐり、永代通りを日本橋交差点へ。コレド日本橋が見えてくると左折し中央通りへ、バスは日本橋川にかかる日本橋を渡る。橋の中央部には道路元標が埋め込まれておりバス車中からもちらりと見ることが出来る。
 程なく日本橋三越に到着。この辺りには古くからの商店や地方自治体のアンテナショップが軒を連ねる中、近年この辺り一帯を本拠地とする三井不動産の手により再開発が行われ、日本橋三井タワーには香港から世界へ展開しているマンダリンオリエンタルホテルが入居、平成22年にはコレド室町がオープンし、より魅力的な街へと進化しつつある。
 さらにバスは中央通りを進む。室町三丁目交差点から先の区間は、都営バスとしては平成12年12月に[茶51](東京駅北口~駒込駅:当時)が短縮されてから久々に都営バスの路線が復活した区間でもある。
 神田駅前と万世橋に停車し万世橋を渡るとバスは秋葉原電気街へと進んでいく。万世橋が秋葉原電気街の最寄りとして案内されるが、電気街からは少々離れているのが残念なところ。以前は電気街、パソコン街として名を馳せていた秋葉原も、近年ではサブカルチャーの街としても認知されるようになり、車内放送でもそのような案内が流れている。また日曜日は中央通りが歩行者天国で通行止めとなるため一本西側の通りへ迂回運行を行っている。
 末広町駅を通りすぎると秋葉原の電気街の雰囲気も一段落。上野松坂屋から先は毎日運行の区間となる。次に停車するのは上野公園や上野動物園にアクセス良好な上野公園山下。目の前には京成上野駅や聚楽・西郷会館跡地を再開発したガラス張りが目立つ飲食店ビル「UENO3153」。上野駅前停留所には停車しないのでJR上野駅との連絡もここで行う。
 上野駅から先は浅草通りを進んでいく。次は合羽橋道具街最寄りの菊屋橋停留所に停車。浅草寿町は通過して寿四丁目交差点を左折、続けて雷門一丁目交差点を右折し雷門通りへ。雷門一丁目、浅草雷門とバスは続けて停車する。浅草雷門の上野方面停留所の前には浅草屈指の肉や「松喜」があり、様々な肉が店頭に並び、肉を買い求める客が絶え間なく訪れる。特にこの店のチャーチューは絶品と評判だとか。
 バスは雷門の前を通り抜け、吾妻橋を渡り続けてリバーピア吾妻橋前に到着する。この辺りからは観光客よりも地元住民が[都08]の速達便的な使い方で乗車してくる。とうきょうスカイツリー駅入口に停車。経路変更時に東京スカイツリーへのアクセス手段としても期待が持たれたが、スカイツリー構内に入らないことが徒となっている雰囲気は否めず、また東武バスとジェイアールバス関東で、東京駅八重洲口~東京スカイツリー(構内)という路線を運行しているのもスカイツリー向けの利用客が今一つ多く見えない要因かもしれない。
 続いて押上に停車し、四ツ目通りへ右折して錦糸町駅へ向かう。この区間はノンストップのため、同じ道路を走行する[都08]や[錦37]をごぼう抜きする光景も見られ、地域住民はあえて[S-1]を選んで乗ってくる事もある。ただし、混雑時間帯は錦糸公園先から錦糸町駅へ右折するところで盛大に待たされ、[都08]の錦糸公園で降りて歩いたほうが早いことも。
 東京駅から約50分で錦糸町駅に到着。東京駅丸の内北口から錦糸町駅へはこのほかにも[東20][東22]があるが、それらとは異なる非日常的でちょっとした観光気分が味わえる[S-1]。時折一般車による代走もあるが、ひと味違う都営バスとして気分転換として乗るのには最適な路線かもしれない。
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歴史

 都営バスの新たな試みとして、東京駅から上野・浅草・両国と主要な下町の観光地を結ぶ「東京→夢の下町バス」が平成20年4月に開業した。観光客の誘致を目的として、下町の観光スポットを巡る新たな路線バスとして走らせるもの、系統番号は[S-1]が与えられた。既存の日野自動車の中型ロング車5輛を首都大学東京との産学連携でデザインし、どことなくレトロ感
も感じさせるシルバーメタリックな車体な一目で特別な車輛と分かるものとなった(詳しくは車輛の項も参照)。
 開通当初は9:00~18:00頃まで30分間隔で運転され、毎日運行で、全線所要時間は45分程度となった。中央通り・浅草通り・江戸通り・清澄通りを経由するが停車停留所はかなり少なく、東京駅北口・日本橋三越(日本橋)・須田町(秋葉原電気街)・上野公園山下(両国方面のみ)・上野駅(東京方面のみ)・菊屋橋(かっぱ橋道具街)・浅草雷門・両国駅・都営両国駅のみに停車する設定となった。なお、東京駅発は両国駅を経由して都営両国駅止まり、東京駅行きは両国駅始発で都営両国駅経由となった。運賃制度は一般系統と同一で、各種一日乗車券なども全て利用可能である。
 車内放送は日英中韓の4ヶ国語に対応する専用のものになり、液晶式の観光案内も兼ねた次停留所案内装置が据え付けられた。また、4ヶ国語対応の沿線パンフレットも製作されて車内に置かれ、交通局の気合いの入り方も今までにないものだった。
 平成22年4月にはテコ入れで途中停留所が増加した。それぞれの途中の街で1箇所ずつ追加停車する感じで、神田駅・上野松坂屋・浅草一丁目が追加された。また、東京駅発は両国駅が終点となったほか、上野地区では両方向とも上野公園山下に停車するよう変更され、上野駅は通過となった。
 平成23年3月の東日本大震災以降は他の系統が復旧する中で長期運休していたが、7月20日より4ヶ月ぶりに運行を再開した。同時に路線形態が大きく変更され、東京駅に行くのは土休日4往復のみと僅かになり、翌年開業予定のスカイツリー需要を見込んで上野松坂屋~両国駅・錦糸町駅の運行をメインとするようになった。7月~9月に江戸東京博物館で開催された「東京の交通100年博」に合わせての運行ということもあったのだろう。これと同時に、リバーピア吾妻橋・業平橋・押上の停留所が増設され、両国駅・錦糸町駅発着ともにリバーピア吾妻橋・業平橋を一旦する経由するようになった。本数は22~25分おきと前よりも増えたが、総武線側はターミナルが分散した。
 平成24年3月17日には東武の駅名変更に合わせ「業平橋」→「とうきょうスカイツリー駅入口(業平橋)」に改称され、3月20日には[S-1]の路線形態がさらに変更となった。錦糸町駅発着に統一され、上野松坂屋~錦糸町駅は20分等間隔のダイヤと使いやすくなった。東京駅北口~上野松坂屋は4往復のままなのは従来と変わりないが、東京駅北口~錦糸町駅に区間が変更となった。両国駅発着は全て廃止となり、運転復活から半年少しでの撤退となってしまった。江戸東京博物館や国技館へのアクセスよりはスカイツリーと分かりやすさを取ったということだろう。
 これで今の形が完成したが、スカイツリーへのアクセスとしては構内に乗り入れる東武のスカイツリーシャトル(上野公園発着)や、JR・東武バスの高速車で運行される東京駅八重洲口発着の便に分があるようだ。平成25年からは所要時間の見直しにより、20分おきから23~24分間隔へと拡大している。上野松坂屋発着よりは、外国人にも人気のある秋葉原までの延伸も十分ありだと思うが、今の台数で回せなくなってしまうのがツラいところだろうか。
 開通当初の計画では、[S-1]に続く観光系統として山の手(東京タワー等)方面も挙がっていたようだが、現状では音沙汰がないようだ。この系統も開業から6年が経ち目新しさはなくなってきていることや、遠くない将来に来る車輛の置き換え時にどうするか、また来る2020東京オリンピック・パラリンピックに向けて観光的な取り組みを行うのか。今後の発展が気になる系統である。

停留所

atozk_015  [S-1]の開業時に、各停車停留所については[S-1]仕様のデザインに交換された。系統名を目立たせ、四ヶ国語表記で白地がベースになっているのが特徴。[S-1]に限らず同じポールに停まる系統についても同じデザインになっている。交通局の各種停留所標柱デザインの中でも出色の出来で、ベースに全停留所に適用してもいいのではと思う。
 なお、両国駅・都営両国駅・万世橋については現在は[S-1]が停車しなくなったこともあり、再び通常仕様のものに交換されている。
代走
 [S-1]の専用車は5輛だが、現行のダイヤでは余裕を持たせて4輛(土休日ダイヤ午前中のみ5輛)使用となっている。ただし、検査や故障のときは一般車で代走となり、当初は装飾も何もなく行き先表示に[S-1]と出るだけだったが、[都08急行]の開業後は代走専用の装飾用マグネットを取り付けて走るようになっている。代走の場合は急いでいるのか、前面にマグネット2箇所という面白い姿で走ることも……!?
 なお、代走は元の車種に合わせて日野HRがあてがわれることがやや多いが、突発では大型車が入る機会もある。乗れたらある意味ラッキーかもしれない。

歩行者天国と迂回

 [S-1]は今では数少ない歩行者天国による迂回を行う系統となっている。開通当初は須田町~万世橋~外神田五丁目(末広町駅)交差点が規制対象となったため、万世橋から一旦昭和通りを経由し、万世橋を横断し昌平橋から末広町に回るというジグザグなルート取っていた。このため須田町には停車せず、万世橋停留所に代わりに停車していた。
 もっとも、開業直後の平成20年6月に起こった秋葉原連続殺傷事件の影響で歩行者天国は休止になってしまった。もっとも、曜日による経路違いとして系統を運行しているために変更の手間もかかるためか、そのままの運行形態となっていた。
 歩行者天国は平成23年1月に復活したものの3月の東日本大震災でまた休止、再開したのは4月に入ってからである。このときから万世橋~外神田五丁目が規制対象となり、同年7月の[S-1]の再開後はこの区間だけを迂回するように改められた。そのため、曜日を問わず中央通り上の須田町停留所に一本化された。もっとも、上野広小路以南の本数の少なさが災いして、現状では迂回するのは休日ダイヤの昼間1往復のみとなっている。
 これ以外では、毎年7月の「うえの祭り」のパレードや箱根駅伝・東京マラソンでは中央通りが規制対象となるため、往時の歩行者天国時のような迂回が見られる。
うえの祭り時は上野駅~末広町駅を昭和通り経由に迂回し上野松坂屋の代わりに上野駅に停車し、箱根駅伝等で呉服橋~室町三丁目交差点を日本銀行経由に迂回し、日本橋停留所は通過となる。
途中止まり
 さほど長くない系統であるが、[S-1]には通常使わない「菊屋橋」発着と「とうきょうスカイツリー入口」発着の表示が用意されている。これは隅田川近辺が尾大きく規制される隅田川花火・東京マラソンの規制で分断運行となるとき用で、両側で折り返し運転となる。もっとも、錦糸町駅~とうきょうスカイツリー入口はともかく、上野松坂屋~菊屋橋は上野公園山下を出たらすぐに終点ということもあり乗客はほとんどいない。隅田川花火など、特別に浅草寿町まで運転してもいいと思うのだが……。
 かつての両国駅発着時代は、隅田川花火用は時間帯に応じて浅草雷門止まり・菊屋橋止まりの両方が用意されていたが、現在は後者に統一された。また、方向幕の色も当初は通常系統と変えて緑色地だったのが、錦糸町延伸時に緑色地を両国駅発着に譲り白地に改められている。

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