担当営業所
江戸川営業所
運行区間・運行回数
系統・枝番 | 起点、経由地、終点 | 備考 | キロ程(往/復) | 平日 | 土曜 | 休日 | |||
→ | ← | → | ← | → | ← | ||||
西葛20甲 | 西葛西駅~新田住宅~堀江団地~なぎさニュータウン | 4.030km | 76 | 73 | 66 | 65 | 60 | 60 | |
西葛20乙 | 西葛西駅~新田住宅~臨海町3~葛西臨海公園駅 | 4.030km | 48 | 48 | 50 | 50 | 40 | 39 | |
深夜03★ | 西葛西駅~堀江団地~(なぎさニュータウン→)コーシャハイム南葛西 | 5.030/4.130km | 2 | 2 | |||||
西葛20出入 | 臨海車庫~葛西臨海公園駅 | 2.060km | ** | ** | ** | ** | ** | ** |
現在
年表
系統 | 年月日 | 営業所 | 距離 | 概要 |
62 | S42.6.1 | 江戸川 | 8.250km | 新田(現・葛西駅通り)~新小岩駅北口~東新小岩四丁目が開通 |
62 | S43.2.1 | 江戸川 | 7.030km | 新田~新小岩駅に短縮 |
新小20 | S47.11.12 | 江戸川 | *** | 新系統番号化、新小20とする |
新小20 | S48.9.1 | 江戸川 | 7.730km | 新田終点(現・新田)~新田を延長 |
新小20 | S51.9.25 | 江戸川 | 9.010km | 堀江町(現・堀江団地)~新田終点を延長 |
葛西20 | S52.3.26 | 江戸川 | 5.380km | 堀江町(現・なぎさニュータウン)~堀江団地~葛西駅に変更、葛西20とする |
葛西20 | S54.10.1 | 江戸川 | 6.080km | 西葛西駅開業にともない第七葛西小~西葛西六丁目間を西葛西駅経由に変更 |
葛西20折 | S54.10.1 | 江戸川 | 4.030km | なぎさニュータウン~西葛西駅を開設 |
葛西20折 | S59.5.28 | 江戸川 | 4.330km | 西葛西駅~葛西トラックターミナル~なぎさニュータウンを開設 |
葛西20 | S59.11.13 | 江戸川 | 6.000km | 葛西駅ターミナルの整備に伴い一部経路変更 |
葛西20 | S60.3.30 | 江戸川 | 4.030km | 西葛西駅~葛西駅を短縮 |
西葛20甲 | S62.5.5 | 臨海 | 4.030km | 今井・江戸川を臨海へ統合のため臨海へ移管、西葛20に系統番号を変更 |
西葛20乙 | S62.5.5 | 臨海 | 4.330km | 同上、トラックターミナル経由便を西葛20乙とする |
西葛20乙 | S63.12.1 | 臨海 | 4.030km | 西葛西駅~葛西トラックターミナル~葛西臨海公園駅に変更 |
深夜03 | S63.12.5 | 臨海 | 5.030/4.130km | 西葛西駅~コーシャハイム南葛西が開業 |
西葛20 | H16.3.28 | 江戸川 | *** | 江戸川に移管 |
深夜03 | H16.3.28 | 江戸川 | *** | 江戸川に移管 |
路線概要
西葛西駅を起点とし、中葛西七丁目を経て、甲系統は中葛西・南葛西の住宅街を結んでなぎさニュータウンまで、乙系統は途中から工業地帯・倉庫街に入って葛西臨海公園駅とを結ぶ路線である。主に2系統に分かれるが、乙は臨海車庫発着の枝系統も存在する。
西葛西駅を出発するとバスは駅前の道路を南下する。清砂通りを横断すると道路は緩やかなカーブを描き、左手には西葛西駅の開業後に発展した戸建ての住宅街、右手には緑豊かな公園緑地の向こうに団地群が並ぶ。このバス道路の外側に都道が並行して走るが、あたりがかつての海岸線であった名残が伺える。
中葛西七丁目停留所手前の交差点で、甲系統と乙系統は別れる。[西葛20甲]はそのまま直進、突き当たりの堀江橋北交差点で右折し[亀29]と合流する。
左近川にかかる橋を渡ると左折し、更に突き当たりを右折とクランク状に曲がっていく。このカーブが続く区間はこの路線の見所かもしれない。
葛西南高校の校庭を左に見て並木道を進む。木々が途切れると左側に堀江団地が見えてくる。バスは堀江団地の敷地に沿うように進み環七との交差点を直進、前方に団地が見えてくると終点のなぎさニュータウンである。
一方の[西葛20乙]は交差点を右折し、葛西中央通りを南下していく。プールガーデンの跡地を右手に見て中左近橋を渡ると臨海町エリアへ入る。左側には中央卸売市場葛西市場がある。卸売りだけでは無く、一般客も気軽に買える場外市場が併設されているのも特徴だ。
臨海町三丁目停留所で更に路線は二手に分かれ、臨海車庫行きはそのまま直進し、数百メートル進んだ湾岸道路の手前の車庫で終点となる。葛西臨海公園へは歩道橋を渡ればすぐだ。
葛西臨海公園駅行きは交差点を左折し環七方面へと進んでいく。葛西トラックターミナルの倉庫街を抜け、環七に出るとバスは右折し、僅かだが環七を走る。首都高湾岸線をくぐり、終点の葛西臨海公園駅に到着となる。
歴史
西葛西駅と東西線以南のエリア(旧堀江町)を結ぶ系統となって久しいが、元々は新小岩からの系統だった。昭和42年6月、かつての葛西村の中心にあたる宇喜田~新田~雷と江戸川区北部をはじめて結ぶ系統として[62](東新小岩四丁目~新小岩駅北口~(船堀街道)~宇喜田~新田(現・葛西駅通り))が開通したのが始まりである。
[62]開設以前から葛西エリアを走っていた路線は葛西橋を渡る[29](錦糸町~浦安、[亀29]の項を参照)のみであった。ただ、(旧)葛西橋の老朽化で[29]が船堀街道・小松川橋経由で迂回運転することも多く、[62]はその経路を引き継いだとも言える。なお、船堀駅~宇喜田は棒茅場を経由せず、船堀街道を直進していた。
昭和43年2月には新小岩駅発着に短縮され、新系統番号化されてからは[新小20]を名乗った。現在の同名の系統とは全く異なる。昭和48年9月には左近川の支流埋め立てにより新田(葛西駅通り)から南下する現・堀江並木通りが整備されたことで、東京湾の海岸近く(当時)の新田終点(現新田)まで延長された。なお、東西線葛西駅の開業は昭和44年のことだが、当初は南側から葛西駅に直接通じる車道がなく、バス路線が開設されなかったことは興味深い。
その後、急速に埋め立てと区画整理、道路整備が進み、昭和50年には東京都住宅供給公社の手で堀江団地が完成すると、昭和51年9月に[新小20]は新田終点から葛西南高校の脇を通り堀江町(現堀江団地)まで延伸された。
昭和52年2月には日本勤労者住宅協会の手でなぎさニュータウンの第一期が完成し、3月に[新小20]も延長された。ただし終点の名はそのまま「堀江町」となり、(旧)堀江町が堀江団地に改称された。行先表示の更新をしなくていいという利点からだろうか。
このとき、東西線以北を全て切り捨て、葛西駅発着に切り替えて[葛西20]と名乗るようになった。葛西駅からは一旦駅北側の葛西区民館を経由して、そこから西葛西六丁目から第七葛西小学校に出るようになった。中葛西地区にも住宅が増えたことや、昭和50年に完成した住宅供給公社の新田住宅への足としても機能するようになった。
これにより全くの別物と言ってもいいくらいの変化を遂げたが、なぎさニュータウンから見ると葛西駅に着くまでかなりの遠回りの経路であったことは否めない。もっとも、当時既に西葛西駅の設置は決定しており、同駅へのアクセスを織り込んでいたのだろう。昭和54年10月に西葛西駅が開業すると、[葛西20]は西葛西六丁目~第七葛西小学校で一旦西葛西駅ロータリーに立ち寄るように変更、さらに朝夕は西葛西駅折
り返しが中心となった。
昭和59年5月には臨海町の葛西市場やトラックターミナルが開かれたのに合わせて、平日の一部便がトラックターミナル経由となった。中葛西七丁目~堀江団地を葛西市場・トラックターミナル経由で運行するもので、本数はあまり多くなかったようである。
昭和60年3月末には[葛西24]が葛西駅から船堀駅まで延伸され、葛西区民館を通る系統が別にできたからか、このとき葛西駅~西葛西駅間は廃止され、全便西葛西駅発着となった。系統番号は[葛西20]のままだったが、昭和62年の臨海への移管時に[西葛20]に変更される。あわせて、出入庫として西葛西駅~臨海車庫が多く設定された。また、トラックターミナル経由は[新小29出入](葛西駅~臨海車庫)の開業により西葛西駅~トラックターミナルの折返し便が平日朝夕に僅かに走るだけとなった。本線が甲、トラックターミナル方面が乙となったが、方向幕の案内上は特に分けられていない。
昭和63年12月には京葉線の新木場~南船橋延伸により葛西臨海公園駅が開業し、[西葛20乙]は葛西臨海公園駅まで延伸され、休日も運転されるようになり大幅に本数が増強された。葛西臨海公園へのアクセス系統として賑わうようになったという。
同時期に西葛西駅~コーシャハイム南葛西の深夜バス[深夜03]が開設された(詳しくは後の項を参照)。乗客数も収支も良いことの表れか、城東では都営バス初の深夜バスとなった。
以来25年あまり、路線網も本数もほぼ変わらず、江戸川区臨海部の基幹系統として推移している。平成3年に3扉の超低床バスが導入され、臨海初の低床運行路線となった。その後も平成10年にはノンステップバス導入路線に選ばれるなど、低床化には何かと縁のあった系統と言える。
平成16年度からは臨海のはとバス委託により(新)江戸川の所管となった。今後とも重要な役割を担っていきそうだ。
出入庫と臨海車庫行き
臨海車庫への出入庫として昭和62年に西葛西駅~臨海車庫、昭和63年には葛西臨海公園駅~臨海車庫が運行を開始した。西葛西駅・葛西臨海公園駅発着の他系統の入庫としても使われ、時刻表に書かれない便も運行されたため、本線の西葛西駅~葛西臨海公園駅よりも本数が目立っていた。
臨海車庫行きの始発が5:20と異様に早く設定されている(右)のは沿線の葛西市場への輸送も担っているためだろう。葛西臨海公園開設前は、早朝便は西葛西駅~葛西トラックターミナルの間での運転となっていた。
なお、葛西臨海公園駅発着は、臨海の方向幕のコマ数に余裕がなかったためか、都営では珍しい双方向表示となっていた。詳しくは方向幕の章も参照。
江戸川移管後は臨海車庫の出入庫は必要がなくなりそうなものだが、前述の早朝の市場輸送向け臨海車庫行きや、臨海での休憩用に今でも一部が残っている。江戸川移管後の方向幕(側面)は西葛西駅発と葛西臨海公園駅発を一つにまとめた書き方で、見づらかったためか行き先を大きく書くように改められたものの、全国でも珍しい書き方と言えるのではないだろうか。
深夜バス
[深夜03]は[西葛20](西葛西駅~なぎさニュータウン)と基本的に同じルートであるが、コーシャハイム南葛西にも寄るために、堀江団地から先、なぎさニュータウンで左折して操車所に入るところを右折している。なぎさニュータウンの停留所は右折した先にあり、当初は[新小29丙](葛西臨海公園駅~コーシャハイム南葛西)の「南葛西六丁目」停留所として開設されたものだが、[深夜03]では「なぎさニュータウン」と呼称したのが興味深い。後に[新小29丙]が経路変更されてここを通らなくなった後は深夜バス専用の停留所となったが、平成14年から[西葛26](船堀駅~葛西臨海公園駅)も停まるようになった。
なお、復路も営業するが、なぎさニュータウンからコーシャハイム南葛西を乗り通して西葛西駅に乗車することはできないようだ。
方向幕は当初は往復別々のコマだったものが往復を1つの表示にまとめており、なかなか凝ったデザインである。なぎさニュータウンが3行にまたがって書いているのはやりすぎのような気もする。前面・背面は三角形型に記載されており、これまたこの系統オリジナルのデザインとなっている。