都営バス資料館

都04・直行02

[都04][直行02]←[銀16]←[東16]←[38]、←一部[銀86]

担当営業所

有明営業所

運行区間

[rosen rosen="t04"]

年表

系統 年月日 営業所 距離 概要               
38 S27.1.15 新宿 4.326km 東京駅南口~月島12(東海汽船前)(現勝どき5)が開通
38 S30.4.1 新宿 4.326km 朝夕のみの運転に変更
38 S43.9.27 深川 4.326km 深川に移管
東16 S47.11.12 深川 *** 新番号化、東16とする
銀16 S57.12.26 江東 4.249km 銀86(渋谷駅~虎ノ門~豊海水産埠頭)と統合。東京駅南口~豊海水産埠頭に変更延長、銀16として江東に移管
銀16乙 S57.12.26 江東 5.009km 東京駅南口~勝どき5~豊海水産埠頭を開設
都04 S63.3.21 江東 4.249km 都市新バス化、都04とする。愛称はグリーンアローズ
都04 H15.4.1 深川 4.249km 深川に移管
都04乙 H21.4.1 深川 *** 東京駅南口~勝どき5~豊海水産埠頭を廃止
都04 H21.4.1 江東 *** 江東に移管
直行02 H30.4.1 江東 4.81km 豊海水産埠頭→東京駅南口が開通、途中停留所は勝どき駅までの各停留所と月島三丁目・亀島橋
都04甲 H29. 3. 1 江東 4.340km 一部経路変更
都04甲-2 R 3. 6. 1 江東 5.320/ 5.320km 銀座4~東京駅南口を日比谷経由に設定、オリパラ期間中経路変更
都04 R 3.11. 1 江東・有明 江東→江東・有明に移管
都04 R 4. 4. 1 有明 *** 江東が撤退、有明に移管

路線概要

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 東京駅南口から晴海通り・勝どきを経由し、中央区の豊海水産埠頭を結ぶ短い路線である。都市新バス「グリーンアローズ」の一翼を担っており、方向幕でのイメージカラーは濃緑色となっている。終点近くまで[都05](東京駅南口~晴海埠頭)と並走することもあり、[都05]の枝線のような立場でもあるが、本数は都営バスの中でも多い。
 [直行02]は平成30(2018)年に新たに設定された通勤系統。平日の朝片道のみ運転され、勝どき駅→東京駅八重洲口は急行運転となる。定期路線では唯一の佃大橋を渡る系統となる。

路線紹介

 東京駅は丸の内南口からの発車となる。東京中央郵便局や丸の内口の再整備に伴ってバスターミナルも平成24年に作り直され、小綺麗になった。真ん中の島を発車したバスは、一旦JR線沿いにはとバスの乗り場を通り抜け、国際フォーラム(旧都庁前)の脇を通って南下する。ビックカメラ有楽町店(旧そごう)の脇に有楽町駅の停留所があり、ここから乗る人も多い。
 JRのガードを抜けると突き当たりで左折、晴海通りに入ると、マリオン前に数寄屋橋停留所がある。東京駅方面のときは右折車線がないため交差点は路線バス以外右折禁止となっているが、バスは車の流れが途切れた一瞬を巧みにとらえて右折していく。なお、東京駅方面のバスは、西向きの数寄屋橋停留所が交差点直前、それも日比谷地下道の入口付近にあるため同停留所には停車できなくなっている。数寄屋橋から東京高速道路をくぐり数寄屋橋交差点を越えると銀座の中心部に入り、四丁目の交差点を過ぎ、三越新館の前に銀座四丁目の停留所がある。有楽町駅、数寄屋橋、銀座四丁目のいずれも乗客は非常に多く、車内は一気に賑わう。
 この先はしばらく停留所がなく、昭和通りを越えて建て替え中の歌舞伎座を過ぎ、万年橋で首都高をまたいだ先に「築地」となる。次いで寿司屋や食材の店が
目立つようになる新大橋通りの手前に「築地三丁目」と、この辺りは停留所が連続する。
 築地六丁目を過ぎると勝どき橋を渡り、右折レーンに入り(したがって勝どき橋南詰停留所は東京駅方面のみ停車する)、勝どき駅前交差点を右折して清澄通りに入り勝どき駅となる。この先の区間は、大江戸線開通と前後して、勝どき駅前には勝どきビュータワー、勝どき三丁目には住友不動産勝どきビル、さらに新島橋には茶色の外壁に斜めに走る黒線が特徴のザ・トーキョータワーズ(超高層マンション)と再開発が一気に進展した。居住人口は21世紀に入ってから増加しており、ベビーカーを押す幼児連れの家族もよく見かける。[都04]の重要な顧客といえよう。
 月島警察署前を過ぎ、埠頭の先端である豊海町に入ると、景色は急変、倉庫街になる。昭和38年に完成した埋立地で、豊かな海というイメージで命名された。バスは埠頭の先端から100メートルほど手前の操車所にて折り返す。竹芝は目と鼻の先、現在は直接向かうことはできないが、清澄通りから竹芝・赤羽橋方面に抜ける環状3号線の建設が計画されている。

歴史

 現在の系統の形になったのは昭和57年12月のことである。[銀86](渋谷駅~豊海水産埠頭)と[東16](東京駅南口~勝どき五丁目、現在の[東16]とは異なる)を統合して[銀16]として誕生した。
 [東16]の歴史は古く、昭和27年に[38]として開通した。昭和20年代までは、伊豆方面に向かう東海汽船の発着所が現勝どき五丁目の沿岸にあり、そこへのアクセス路線として開通した。かなり後まで当時の朽ちた桟橋や建物の跡が残っていた。開業時は住居表示前で月島通十丁目と名乗っており、特に専用の折返所は持たず、道路を使って一周するように清澄通りに折り返していたようだ。
 ただし、昭和30年には朝夕のみの運転に規模が縮小されており、以降30年近くこの運転体制が続く。都電廃止前は、都電が月島通八丁目(現勝どき駅)以南になかったこともあり、[東16]は唯一の公共交通機関となっていたが、1日の運転回数は10回程度で、主に当地に住む人や倉庫街への通勤路線として使われていたものと思われる。昭和57年のデータでは、朝20分・夕20分間隔、東京駅南口発7:02~8:29、16:34~17:55発と、最後まで本数も大きく変わらなかった。
 だが、昭和43・47年には都電廃止により[銀86]、[門33](亀戸駅~門前仲町~豊海水産埠頭)が相次いで豊海水産埠頭まで乗り入れるようになり、通勤時間帯しか走らないという意味では効率は非常に良い路線だったとはいえ、独自区間がわずか数百メートルの[東16]の独自性は落ちていった。そこで、昭和57年の改編で[東16]の区間と[銀86]の本数を合わせて、新たに[銀16](東京駅南口~豊海水産埠頭)が誕生した。このときに、[東16]独自区間の補償として、朝夕のみ勝どき五丁目を経由することとなった(後述)。
 この時に所管が江東に移管された。[銀86]は渋谷、[東16]は深川が担当しており、営業域から考えると深川が近いが、所管数のバランスや、江東が既に[門33]を所管し豊海で操車しており、まとめやすいという事情もあったのだろうか。
また、江東移管に伴い、出入庫系統として[門33]に豊海水産埠頭~緑一丁目という運転区間が設定された。緑一丁目からは京葉道路経由で江東車庫まで回送していた。後述の都市新バス化後は[門33]の中でこの出入だけ豪華な車で運行されるため、これに当たるとちょっぴり得をした気分になったものである。しかし、[都04]がいったん深川に移管された際に緑一丁目行きは全廃され、今は昔語りである。
 [銀16]となって以降は本数も安定した。昭和63年3月には、[銀71]→[都03]とともに晴海通りの都市新バス化され、[都04]となった(ちなみに、[都05]が誕生するのは地下鉄有楽町線新木場延伸と同時の同年6月のことである)。ハイグレードな新車がまとまって導入され、当初は大きく増便されなかったようだが、乗客が増加したことで平日を中心に増便された。その後は路線形態も運行間隔(平日朝3~5分、昼間10分間隔程度)も変わってない。都心から倉庫街への通勤需要の他、勝どき側からの住民の足としても使われるため、効率の良い路線であった。
 一大転機となったのが12年後の平成12年、大江戸線勝どき駅開業である。都バスが独占的に担っていた勝どき駅周辺の需要が相当数地下鉄に流出すると見込まれた。それでも、晴海通りは地下鉄並行ではないこと、豊海周辺は勝どき駅から離れていることもあってか、[都03]に比べれば削減幅は小幅であったが、翌平成13年7月、14年2月の改正でも段階的に削減され、平日朝の便数は確保されたものの、大江戸線改編直前と比べると2~3割程度減少し、休日は17~18分間隔と、待たずに乗れる本数とは言いづらくなっていた。
 平成15年4月には深川に移管された。この時点で[都03]~[都05]の所管がいったん深川に統一されたことになる。出入庫は全て回送であった。乗務員輸送も兼ねて、使用機会の少ない中型系の車などが連絡車として深川車庫~豊海水産埠頭を走る姿も見られた。
 再び情勢が変わるのは、平成19年度からである。勝どき駅周辺の再開発が進展し、オフィスへの通勤需要、高層マンションの居住人口の増加により、銀座・有楽町・東京駅へ直結する利点が認識されたのか、[都04]も混雑が目立つようになった。ちなみに、大江戸線勝どき駅の乗降客数は平成23年度には76,000人/日と当初の需要予測を大幅に上回っており、単独駅では線内1位で、全体でも新宿・大門・六本木に次ぐ4位となっている。出口・改札の増設も行われ、現在はホーム増設の建設が始まっている。
 その後の[都04]は増便基調で推移している。平成20年2月改正で各曜日とも2割増、さらに同年3月末の改編でも数本増便、その後も毎年春の改正で増便されるという近年の都営バスには珍しい経過をたどっている。この結果、現在では土曜・休日はおおむね10分間隔での運行と大江戸線開業前を上回る本数となり、平日も近い水準まで戻ってきている。休日の夜間下りなど、従来であれば混雑しづらい時間帯もかなり乗客が乗っており、マンション増加の恩恵と言えるだろう。
 平成21年には、所管が再び江東に戻った。それを機に「全車ハイブリッドノンステップで運行」という文字が加わり、一般路線では初の出来事となった。
 現在も勝どき駅以南では再開発が進行中であり、晴海埠頭~豊海~築地市場を結ぶ環状2号が計画・建設中である。需要は手堅く、今後とも活躍していきそうだ。

勝どき五丁目経由

昭和57年の[銀16]化後も、平成21年3月までは朝夕に限り「勝どき五丁目経由」が設定されていた。月島警察署~新島橋の1停留所間を運河に沿って大回りするもので、朝の東京駅行き、夕方の豊海行きの数本のみ運転されていた。沿線には古くから建つ都営アパートや、レトロな東京消防庁臨港消防署(晴海に移転)を抜けて清澄通りに再び合流するもので、途中には専用の勝どき五丁目停留所があったほか、新島橋も本線とは異なった場所にあった。
だが、平成21年4月、[都04]の所管が江東に戻った際にひっそりと廃止された。本線からさほど離れておらず、単独停留所での乗降客が少なかったこともあるのだろう。なお、半年後の平成21年10月に開業した中央区コミュニティバス「江戸バス」が勝どき五丁目を経由している。

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