都営バス資料館

巣鴨営業所

車庫の概要

巣鴨営業所は巣鴨駅のすぐ北側、白山通り(中山道)沿いに位置する。「おばあちゃんの原宿」こと巣鴨のランドマークであるとげぬき地蔵(高岩寺)が至近にある。都電の車庫が転用されたもので、大塚の支所として開かれたが、現在では大塚が巣鴨の支所となり、立場が逆転している。庁舎は平成25年に建て替えられて新築された。山手線の北側区間の駅を通る系統を中心に幅広く所管しているが、その中でも代表的な系統を挙げるとすれば、池袋~浅草を2通りに結ぶ[草63][草64]だろう。
巣鴨は「P」だが、昭和43年に車庫を開いた時点で余ったアルファベットがP・T・U・Vしかなく、空いている順に確保したのだろう。

所管系統(H30.4現在)

系統番号 枝番 起点、経由地、終点 備考 キロ程(往) キロ程(復)
学01 東大構内(←上野松坂屋、御徒町→)上野駅 3.697 4.197
都02 大塚駅~窪町小学校~春日駅~御徒町駅~本所1~錦糸町駅 10.419 10.419
折返-1 大塚駅←窪町小学校←春日駅←御徒町駅←本所1 平日朝のみ 7.657
折返-2 大塚駅~窪町小学校~春日駅~東京ドームシティ 4.080 4.020
出入-2 大塚2~大塚駅 1.330 1.330
出入-1 窪町小学校~春日駅~御徒町駅~本所1~錦糸町駅 8.789 8.789
出入-3 真砂坂上→御徒町駅→本所1→錦糸町駅 6.447 6.447
折返-4 大塚駅~窪町小学校~春日駅 3.630 3.630
学07 東大構内~御茶ノ水駅 2.457 2.547
里48 日暮里駅~熊野前~江北6団地~足立流通センター~見沼代親水公園駅 10.810 10.990
折返 日暮里駅~熊野前~江北6団地 6.480 6.660
-2 日暮里駅→熊野前→江北6団地→加賀団地→加賀→江北6団地→熊野前→日暮里駅 17.960
-2折返1 日暮里駅→熊野前→江北6団地→加賀団地→加賀 9.470
-2折返2 日暮里駅←熊野前←江北6団地←加賀←加賀団地 9.580
茶51 駒込駅南口~向丘2~本郷三丁目駅~御茶ノ水駅~秋葉原駅 5.646 6.128
折返 駒込駅南口~向丘2~本郷三丁目駅~(神田明神→)御茶ノ水駅 朝のみ 5.263 4.483
上60 池袋駅東口~向原~大塚駅~南大塚1~春日駅~根津駅~上野公園 朝夕のみ 9.713 10.163
折返-1 大塚駅~南大塚1~春日駅~根津駅~上野公園 6.750 7.200
折返-4 池袋駅東口←向原←大塚駅←南大塚1←春日駅←東大農学部 7.593
折返-5 池袋駅東口←向原←大塚駅←南大塚1←春日駅 6.393
草63 池袋駅東口→西巣鴨→巣鴨駅→西日暮里駅→三ノ輪橋→浅草寿町 12.881
-1 池袋駅東口←西巣鴨←巣鴨駅←西日暮里駅←三ノ輪橋←雷門1 13.751
出入 池袋駅東口~西巣鴨~とげぬき地蔵 3.870 3.870
折返-1 巣鴨駅→西日暮里駅→三ノ輪橋→浅草寿町 8.831
折返-2 巣鴨駅←西日暮里駅←三ノ輪橋←雷門1 9.701
折返-3 池袋駅東口←西巣鴨←巣鴨駅←千駄木3 7.106
-2 東池袋1~池袋駅東口~西巣鴨~とげぬき地蔵 4.100 4.100
折返 巣鴨駅南口~(急行)~東洋大学 入試日のみ 1.126 1.126
草64 池袋駅東口~西巣鴨~王子駅~荒川4~吉原大門~浅草雷門南 12.966 12.966
折返-1 王子駅~荒川4~吉原大門~浅草雷門南 正月・花火のみ 8.883
折返-1 池袋駅東口←西巣鴨←王子駅←荒川4 8.096
出入-1 とげぬき地蔵~西巣鴨~王子駅~荒川4~吉原大門~浅草雷門南 11.836 11.836
劇03 国立劇場→日比谷→有楽町駅→東京駅南口 開催時のみ

基本データ

住所 巣 鴨…豊島区巣鴨二丁目9番地8号 (昭和45年1月1日住居表示実施)
開設期間 巣 鴨…昭和43年2月25日~
交通機関 巣 鴨…バス:とげぬき地蔵 鉄道:[JR・地下鉄]巣鴨
基本配置 巣 鴨…旧基本車種:いすゞ(富士重工)、旧合成音声機:クラリオン、旧次停留所機:レシップ

沿革

年月日 できごと
S43. 2.25 大塚営業所巣鴨支所を開設
S46. 3.18 大塚営業所巣鴨支所を巣鴨営業所に格上げ
H20. 4. 1 大塚営業所を巣鴨営業所大塚支所に格下げ

歴代所管一覧

年月日 所管開始時の区間 所管開始 所管終了 備考
535→浜59 巣鴨駅~浜松町駅 S43. 2.25 S49. 6.30 →短縮(水59)
43→草63 池袋駅東口~浅草寿町 S44.10.26? 運転中
519→東51 王子駅~東京駅八重洲口 S46. 3.18 S52.12.15 →分割(茶51甲/乙)
里48 尾久橋~水道橋 S48. 6.10 運転中
水59 巣鴨駅~一ツ橋 S49. 7. 1 H12.12.11 廃止
茶51甲→茶51乙 駒込駅~新橋駅 S52.12.16 H12.12.11 廃止
茶51乙→茶51甲 王子駅~御茶ノ水駅 S52.12.16 運転中
草64 池袋駅東口~浅草雷門 S57. 3.29 運転中
深夜04 日暮里駅~足立流通センター終点 S63.12. 5 H20. 3.29 廃止
東22乙 東京駅北口~IBM箱崎ビル H 1. 4.10 H12.12.11 →撤退(江東)
上26 亀戸駅~上野公園 H 2. 7.21 H11. 3.30 →撤退(大塚・江東)
学01 上野駅~東大構内 H19. 3.26 運転中
学07 御茶ノ水駅~東大構内 H19. 3.26 運転中
都02乙 池袋駅東口~一ツ橋 H20. 3.30 H27. 3.29 →移管(小滝橋)
王46 王子駅~加賀団地 H20. 3.30 H24. 3.31 →統合(里48)
東43 東京駅北口~江北駅 H24. 4. 1 H26. 3.31 撤退(北)
都02 大塚駅~錦糸町駅 H27. 3.30 運転中
上60 東京駅北口~江北駅 H27. 3.30 運転中

車庫の歴史

 巣鴨営業所は、大正2年に都電(市電)の車庫として開設されたのが始まりである。白山通りの市電は都心から北上して、明治45年に巣鴨橋(現車庫付近)まで延伸された。巣鴨橋は山手線を渡る橋の名である。しばらくの間は市電の終点となっていたが、昭和4年に西巣鴨・下板橋まで中山道上に延伸され、途中停留所となった。
 基本的には白山通りの都電系統を所管したが、戦前戦中でいくらか改編され、昭和30年代は18系統(志村坂上~神田橋)・35系統(巣鴨車庫~西新橋一丁目)・41系統(志村橋~巣鴨車庫)の3系統で運行されていた。しかし、昭和41年、都営地下鉄6号線(三田線)の工事とともに巣鴨車庫以北の都電が先行廃止されバス代替され、以降は35系統が残るのみとなった。志村営業所の項も参照。

▲goo 地図(米軍撮影、昭22)

▲都電18系統(板橋、昭30)(河)
 残る都電35系統も昭和43年2月に廃止され、都電の車庫は、そのままバスの車庫として転用されることになった。当初の担当系統は都電35系統をそのまま代替した[535](巣鴨車庫~浜松町駅)のみであったが、地下鉄開業前にバス代替したことから膨大な需要があり、昭和43年の調査では乗降人員52,352人/日、運行回数400回超という都営バス随一の記録を打ち立てている。巣鴨駅~一ツ橋間は他系統でも補完され、朝は1分間隔未満で運行されていたがそれでも大行列だったという。
 次いで、昭和44年頃に[草63]を大塚から移管し、昭和46年3月に都電19系統(王子駅~通り三丁目)の代替バス[519](→[茶51])の運行を開始した。都電19系統は駒込駅北側にあった駒込営業所(昭和12年開設)が所管していたが、駒込はバス車庫に転用せずに巣鴨に集約することになった。
 都電時代の車庫への出入りは旧庁舎の脇、敷地中央から直接白山通りへと軌道が延びていたが、バス代替以後は白山通りから車庫の脇道を通じて出入りするように改められた。昭和20年代と比べると、白山通り沿いや車庫の奥など、敷地が多少広がっていることが分かる。

▲国土情報ウェブマッピングシステム(国土交通省、昭54)
 しかし[535]→[浜59]は昭和47年に都営6号線が巣鴨~日比谷まで延伸されて以降の乗客の減少が著しく、昭和49年に一ツ橋~浜松町駅が短縮されたが、平成5年度には 1,100人まで減ってしまっていた。平成初期には廃止が取り沙汰されたものの実施されないままだったが、結局平成12年の大江戸線改編時で廃止された。
 一方の[519]→[東51]は、昭和52年以降は2系統に分割されて[茶51]となった。平成に入るまでは安定していたが、平成3年の南北線の赤羽岩淵~駒込開業、平成8年の四ツ谷延伸で並行区間が長くなり、その後は急激に本数が減り、平成12年12月に両端が切られて駒込駅~御茶ノ水駅という短距離路線になった。近年は秋葉原駅延伸などの積極策が講じられている。
 これら都電代替系統との凋落と引き替えに、一時期の巣鴨の筆頭格の地位を担った路線が、昭和48年6月開設の[里48]である。当初は尾久橋~日暮里駅~水道橋という系統だったが、扇大橋の架橋・尾久橋通りの整備で昭和53年に足立流通センターまで延伸する一方、赤字区間だった都心部を切り捨てて、足立区西部からの通勤通学路線として大きく成長する。ラッシュ時には満員のバスが尾久橋通りを雁行、昭和63年には深夜バスも開設され、15年かけて乗客数は3倍に伸びた。だがこれも平成20年の日暮里・舎人ライナー開業で一変、ライナー運転停止時の代行も兼ねているのか廃止はされなかったが、本数は5分の1程度にまで減少している。
 そう考えると、今も昔も変わらぬ活躍を見せる巣鴨の顔としては[草63][草64]が挙げられる。池袋~浅草を結ぶ2系統で、鉄道で直接行きづらいところを結んでおり、曜日を問わず混雑がみられる。
 このほか、平成元年にTCAT・箱崎町への足として[東22乙](東京駅北口~IBM箱崎ビル)を開通し、江東・千住と3営業所共管で運行にあたったが、半蔵門線の延伸で本数が大きく減少し、平成12年に撤退している。また、平成2年7月からは[上26](上野公園~亀戸駅)も大塚と共管で担当していたが、こちらも平成11年に担当運用を江東に移管して撤退した。
 平成12年12月以降は[草63][草64][茶51][里48]の4系統のみを所管し、方向幕のコマ数も営業所格では最少だったほどだが、近年、大塚からの路線の受け入れが進んでいる(詳しくは大塚の歴史の項を参照)。平成19年3月に[学01][学07]を、平成20年3月には[都02乙]も受け入れたが、[里48]の減便があり所属車輛数は増えたわけではない。[草64]は平成18年から南千住と共管にしていたが、これも巣鴨単独の所管に戻したほか、平成24年春からは[東43](東京駅北口~江北駅)の運用を一部受け持ったほか、江戸川区にまで出張して競艇バス(平井駅~ボートレース江戸川)も担当した。城東地区の受け持ちの都合もあったのか、さすがに競艇バスは1年限りの所管で終わった。
 庁舎の建て替えと敷地の利活用も近年のトピックと言えるだろう。駅から至近の一等地と言える恵まれた場所にある露天のバス車庫ということもあり、一時期は敷地の高度利用も考えられたようだが、白山通りに面した旧庁舎の後ろに立派な3階建ての新庁舎が作られた。車庫前の歩道橋から露天で並ぶ車が眺められた風景も、庁舎に遮られるようになり随分と変わった。
 旧庁舎跡地は民間に20~30年間の定期借地権で貸し付けることになり、敷地面積は1,200平方メートル程度となっている。地域協力のためにテナントとして日本郵便(郵便局)が入ることが条件となっている。賃貸借の開始は平成26年7月以降となっており、どのように変化していくのかが楽しみである。

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