都営バス資料館

江戸川営業所

車庫の概要

 江戸川営業所は江戸川区の中南部、葛西橋通りの南側に面し、葛西駅にほど近い立地となっている。都営住宅と職員寮が併設されており、敷地面積は都営バスの車庫の中でも上位に入る。
 主に江戸川区内と明治通りより東側の江東区東側の幹線系統を受け持ち、はとバスに運行を委託する臨海支所と担当エリアが重なっている。ターミナルは錦糸町・亀戸・西葛西・葛西などの駅に散らばり、都営バスでは少ない団地輸送の系統を所管するほか、深夜バスを2系統担当する唯一の営業所となっている。特に総武線・新宿線・東西線・京葉線の駅を南北相互に結ぶ系統が目立つ。
 23区内では唯一の分駐所(東小松川分駐所)を持つ。2か所の車庫で計180輛程度の所属があり、都営バスの中では最も規模の大きな営業所となっている。

所管系統

系統・枝番起点、経由地、終点          備考キロ程(往/復)平日土曜休日
錦27小岩駅~鹿本中学校~京葉交差点~亀戸駅通り~錦糸町駅~両国駅12.933/12.473km293129303132
錦27折返小岩駅~鹿本中学校~京葉交差点~亀戸駅通り~錦糸町駅10.255km121111
錦27-3東大島駅(小松川口)→亀戸駅通り→錦糸町駅4.680km2
亀23亀戸駅~北砂5団地~南砂町駅~江東高齢者医療センター(循環)10.720km232121
亀23折返亀戸駅~北砂5団地~南砂町駅4.630km12115454
錦27-2小岩駅~鹿本中学校~京葉交差点~船堀駅7.325/7.585km8312101312
錦25葛西駅~三角~船堀駅~京葉交差点~亀戸駅通り~錦糸町駅9.920/10.000km122125117120115115
錦25折返-1船堀駅←京葉交差点←亀戸駅通り←錦糸町駅7.030km222
錦25折返-2葛西駅←三角←船堀駅2.890/2.970km1096
錦25折返-3葛西駅→三角→船堀駅→京葉交差点4.940km111
錦25出入-1東小松川車庫→京葉交差点→亀戸駅通り→錦糸町駅6.760km352
錦25出入-2江戸川車庫~葛西駅0.960/0.880km262722222023
錦25折返-4葛西駅→三角→船堀駅→東小松川車庫3.490km12116
錦25折返-5松江第一中学校→京葉交差点→亀戸駅通り→錦糸町駅6.530km2
亀24葛西橋~東大島駅入口~西大島駅~亀戸駅4.966km676961635758
亀24-3東砂5→東大島駅入口→西大島駅→亀戸駅4.616km221
亀29なぎさニュータウン~葛西駅通り~西葛西駅~境川~西大島駅~亀戸駅10.520km182121211615
亀29折返西葛西駅~境川~西大島駅~亀戸駅6.340km525047484345
新小21西葛西駅~宇喜田~棒茅場~船堀駅~京葉交差点~新小岩駅8.030/7.770km11211891938384
新小21折返-1西葛西駅~宇喜田~棒茅場~船堀駅3.640km552412
新小21折返-2船堀駅~京葉交差点~新小岩駅4.390/4.130km723222
新小21折返-3松江第一中学校→京葉交差点→新小岩駅3.630km1
新小21出入-1東小松川車庫~船堀駅0.600/0.860km221225152114
新小21出入-2東小松川車庫→京葉交差点→新小岩駅3.860km12
新小21折返-4西葛西駅←宇喜田←棒茅場←船堀駅←京葉交差点5.950/5.690km1
西葛27甲西葛西駅~清新ふたば小学校~東京臨海病院~臨海町2団地3.950/2.890km738859705767
西葛27乙西葛西駅→清新ふたば小学校→葛西水再生センター→臨海町2団地4.570km11
西葛27乙折返西葛西駅←清新ふたば小学校←東京臨海病院←葛西水再生センター2.690km1
西葛27丙折返西葛西駅→清新ふたば小学校→臨海町2団地2.890km1
西葛27甲-3西葛西駅→清新ふたば小学校→東京臨海病院→中左近橋3.600km13910
錦28東大島駅~東砂団地~西大島駅~錦糸町駅4.750km626257575252
新小22葛西駅~古川親水公園~今井~一之江駅~松江~京葉交差点~新小岩駅8.244km808466704951
新小22折返-1葛西駅~古川親水公園~今井~一之江駅3.538km111
新小22折返-2一之江駅→松江→京葉交差点→新小岩駅4.706km21
新小22折返-4葛西駅←古川親水公園←今井←一之江駅←松江5.303km111
錦25出入-2江戸川車庫~葛西駅0.960/0.880km813881012
新小22折返-3葛西駅→古川親水公園→今井→一之江駅→松江→東小松川15.714km111
臨海28-1一之江橋西詰~一之江駅~葛西駅~堀江団地~葛西臨海公園駅7.810km322921191716
臨海28-1折返-1一之江駅~葛西駅~堀江団地~葛西臨海公園駅5.800km424433344040
臨海28-1折返-2葛西駅~堀江団地~葛西臨海公園駅3.000km17212849
西葛20出入-2臨海車庫前~臨海町3~葛西臨海公園駅1.960km66121
臨海28-1折返-3長島町交差点→葛西駅→堀江団地→葛西臨海公園駅3.430km11
臨海28-1出入-1臨海車庫前→堀江団地→葛西駅→一之江駅→一之江橋西詰7.760km222
臨海28-1出入-2臨海車庫前~堀江団地~葛西駅~一之江駅5.750km21
臨海28-1出入-3臨海車庫前~堀江団地~葛西駅2.950km1111
西葛20甲西葛西駅~新田住宅~堀江団地~なぎさニュータウン4.030km767366656060
西葛20乙西葛西駅~新田住宅~臨海町3~葛西臨海公園駅4.030km484850504039
葛西21葛西駅~東葛西9~コーシャハイム南葛西~葛西臨海公園駅4.860/4.730km627162597775
葛西21折返-1葛西駅~東葛西9~コーシャハイム南葛西3.460/3.410km2930202224
錦25出入-2江戸川車庫~葛西駅0.960/0.880km2
葛西21-2葛西駅→東葛西9→コーシャハイム南葛西→(環七)→葛西臨海公園駅5.360km11
FL01葛西駅~三角~船堀駅~東大島駅入口~亀戸駅通り~錦糸町駅8.670/8.750km14141414
深夜12★船堀駅~京葉交差点~新小岩駅4.390/4.130km56
深夜03★西葛西駅~堀江団地~(なぎさニュータウン→)コーシャハイム南葛西5.030/4.130km22
葛西21折返-2なぎさニュータウン→(環七)→葛西臨海公園駅(雨降り)2.880km************
亀24折返葛西橋→東大島駅(臨時)2.165km************
西葛27乙折返-1西葛西駅←清新ふたば小学校(雨降り)1.420km************
西葛27臨時西葛西駅~(急行)~江戸川陸上競技場1.736/1.629km************
臨海28-1出入東小松川車庫~一之江駅2.090km************
西葛20出入臨海車庫~葛西臨海公園駅2.060km************
現在

基本データ

住所 江戸川…江戸川区中葛西四丁目9番地11号(昭和53年9月1日~)
開設期間 葛 西…昭和47年10月15日~平成16年3月31日
交通機関 江戸川…バス:江戸川車庫前 鉄道:[地下鉄]葛西
基本配置 葛 西…旧基本車種:日野、旧合成音声機:レシップ、旧次停留所機:クラリオン

沿革

年月日 できごと
S46. 3.18 都電の錦糸堀電車営業所境川派出所を廃止
S47.10.15 江東自動車営業所葛西分車庫を開設
S47.10.20 葛西分車庫を葛西自動車営業所に格上げ
S54.10. 1 境川分車庫を境川派出所跡地に開設
H15. 4. 1 境川分車庫を廃止
H16. 4. 1 江戸川自動車営業所に改称、東小松川分駐所を新たに所管する。臨海営業所が配下の支所となる

歴代所管一覧

年月日 所管開始時の区間 所管開始 所管終了 備考
26→秋26 葛西車庫~上野公園 S47.10.15 H16. 3.28 →移管(臨海)
26乙→東26 葛西車庫~東京駅八重洲口 S47.10.15 S57.12.25 廃止
28→亀24 新葛西橋~浅草寿町 S47.10.15 運転中 →分離[草24]
41→草32 平井駅~東日本橋駅 S47.11.12 S52.12.15 廃止、→分離[平23乙]
錦14→都07 錦糸町駅~門前仲町 S47.11.12 H16. 3.28 →撤退(江東)
草28 葛西橋~神田駅 S47.11.12 H12.12.11 →短縮[両28]
錦29 錦糸町駅~浦安終点 S50. 7.31 S51. 6.19 →短縮[亀29]
亀29 亀戸駅~浦安終点 S51. 6.20 運転中
平23甲 葛西駅~平井操車所 S57.12.26 H 2.11. 4 →移管(臨海)
西葛27 西葛西駅~陸上競技場 S59. 6. 3 運転中
深夜10 西葛西駅~臨海町二丁目団地循環 H 1.12.15 運転中
門21 東大島駅~門前仲町 H 2. 7.21 H16. 3.28 →移管(臨海)
錦28甲 船堀駅~錦糸町駅 H 2. 3.31 運転中
錦28乙→平28 東大島駅~平井駅 H 2. 3.31 H17. 3.31 →移管(臨海)
AL01 東大島駅~小松川循環 H11. 3.31 H16. 3.28 →移管(臨海)
両28 葛西橋~両国駅 H12.12.12 H16. 3.28 →移管(臨海)
亀23 亀戸駅~南砂町駅 H13. 8. 7 H16. 3.28 →移管(江東)
西葛26 船堀駅~葛西臨海公園駅 H14. 4. 1 H16. 3.28 →移管(臨海)
草24 東大島駅~浅草寿町 H14. 5.30 H16. 3.28 開通はS53.12.21 →移管(臨海)
平23 葛西駅~平井駅 H15. 4. 1 H16. 3.28 →移管(臨海)
FL01 錦糸町駅~葛西駅 H16. 3.29 運転中
深夜03 西葛西駅~コーシャハイム南葛西 H16. 3.29 運転中
西葛20 西葛西駅~なぎさニュータウン H16. 3.29 運転中
葛西21 葛西駅~葛西臨海公園駅 H16. 3.29 運転中
新小21 新小岩駅~西葛西駅 H16. 3.29 運転中
新小22 新小岩駅~葛西駅 H16. 3.29 運転中
葛西24 船堀駅~なぎさニュータウン H16. 3.29 H26. 3.31 →移管(臨海)
錦25 錦糸町駅~葛西駅 H16. 3.29 運転中
臨海28 一之江橋西詰~葛西臨海公園駅 H16. 3.29 運転中
新小29 東新小岩四丁目~葛西駅 H16. 3.29 H25. 3.31 →移管(臨海)
新小30 東新小岩四丁目~東京臨海病院 H16. 3.29 H25. 3.31 →統合(新小29)
錦27 両国駅~小岩駅 H17. 3.28 運転中
西葛01 西葛西駅~北葛西五丁目循環 H17. 4. 1 H20. 3.31 廃止
亀23 亀戸駅~江東高齢者医療センター H26. 4. 1 運転中

車庫の歴史

 現在の江戸川営業所は、昭和47年に葛西営業所として開設されたものが、平成16年度に改称されたものである。だが、位置は同じであるものの主な所管系統は半分以上が異なっており、ほとんど別の営業所に様変わりしたようなものである。
なお、昭和62年5月まであった(旧)江戸川営業所は、現在の臨海支所の源流にあたる。その歴史については臨海・今井の項を参照。
まずは平成15年度までの葛西営業所の歴史について紹介しよう。
 葛西は昭和47年に江戸川区中葛西に新築された。10月1日に設置され、同月15日に江東営業所の分車庫として営業を開始、20日にはすぐに営業所に昇格している。5日間だけ分車庫だったというのは書類上の都合かもしれない。15日時点では葛西橋に近い2系統([26]→[東26][秋26]、[28]→[亀24])を、20日からは[41]平井駅~東日本橋駅 (→[草32])を担当し始めた。
 営業所新設の背景には、江東区内に残る都電の一斉廃止にはバス輸送力の増強が不可欠であったことがある。もともとは境川の都電車庫の敷地をそのままバスの営業所に転用する計画だったが、都電廃止反対や排ガス反対といった近隣住民の運動などで挫折し、川向こうの江戸川区に作ることになった。11月12日からは、都電廃止に伴う代替系統[錦14](錦糸町駅~門前仲町→[都07])、[草28](神田駅~葛西橋→[両28])を担当するようになった。
 江戸川区内にありながら、葛西営業所当時の所管路線のほとんどが江東区内を走っていたのはそういった理由によるものであろう。当時は営業所の近辺には田畑や空き地もまだまだ多く、区画整理の途上であった。開設前の住宅地図では同地には「日本経済新聞社 宇喜田グランド」の名があり、そこの土地を買ったのかもしれない。
 しかし、江戸川区と江東区の間には荒川放水路がある。特に、当時は湾岸道路も清砂大橋もなく、片側2車線の葛西橋が最も河口寄りの橋であり、増え続ける車に対してパンク状態になっており、週明けの朝などは葛西車庫から南砂まで橋を渡るのに40~50分かかることも珍しくなかった。都営バス側も、船堀橋経由での回送や旧葛西橋折返しの運用を作るなど対処に努めたほか、結局、境川を昭和54年にバスの操車所として整備し、江東区内における重要な前線基地として活用した。境川は別の項で改めて触れることにしよう。
 営業所の開設当初は現在の都営アパートと営業所の庁舎および葛西寮の部分は更地で、検修庫の建物があるのみだった。現在とは逆側に細長い建物が見えるが、これが当時の営業所の建物だったのだろうか。
 昭和52年4月に都営アパート・庁舎・寮が相次いで完成し、今の建物群が揃った。都営アパート・寮の1階は格納庫としても使われ、営業所の棟は都営アパートとは独立して葛西橋通りに設けられた(右写真)。
 昭和50年には[錦29](錦糸町駅~浦安→[亀29])を新たに所管し、[草32]が昭和52年に廃止されると、残る所管系統はほとんど本数の多い系統で占められ、昭和
50年代に吹き荒れた路線廃止・短縮の影響はほとんど受けなかった。昭和57年12月の改編で[東26](東京駅八重洲口~葛西車庫)が廃止され[秋26]に一本化され、新たに[平23甲](平井操車所~葛西駅)を持つようになった程度である。
 昭和53年に都営新宿線が開通(岩本町~東大島)したが、葛西所管系統では[亀24]が分割され、東大島駅に乗り入れた程度であった。都営新宿線はその後昭和60年代に船堀、篠崎に段階的に延伸されるが、この影響を大きく受けたのは (旧)江戸川営業所の管轄系統であり、葛西への影響は小さかった。むしろ、この時代の葛西にとって影響が大きかったのは東西線だろう。東西線が葛西の地に開業したのは営業所開設前の昭和44年3月だが、沿線の宅地化が急速に進み、昭和54年10月の西葛西駅開業以後は周囲の宅地化がさらに加速した。関係する地下鉄の開業については以下の表も参照のこと。
年月 東西線の動き 年月 新宿線の動き
S42. 9.14 大手町~東陽町開業 S53.12.21 岩本町~東大島開業
S44. 3.29 東陽町~西船橋開業 S55. 3.16 新宿~岩本町開業
S54. 10. 1 西葛西駅開業 S58.12.23 東大島~船堀開業
S56. 3.27 南行徳駅開業 S61. 9.14 船堀~篠崎開業
H 1. 3.19 篠崎~本八幡開業
 それに合わせた江戸川区内完結の生え抜き路線としては、[西葛27]が挙げられる。清新町の葛西クリーンタウン開発に伴って昭和59年6月に開通し、当初は西葛西駅~陸上競技場の1.4kmを昼間は20~30分間隔で走るという少なさであったが、開発の進展に伴って昭和61年に紅葉川高校まで、平成元年には臨海町二丁目団地まで全通して深夜バスも開設される幹線に成長した。これ以外では、新たに競艇バス(江戸川競艇場~船堀駅・西葛西駅)も担当するようになった。
 平成2年には[門21](東大島駅~門前仲町)や[錦28甲](錦糸町駅~船堀駅・東大島駅)を新たに担当する一方で[平23甲]を臨海に移管した。さらに、小松川地区の再開発で[錦28乙](東大島駅~平井駅→[平28])が開業し、新たに担当した。
 平成4年3月には[錦14]が都市新バス化されて[都07]「グリーンスター」を名乗り、専用車での運行もあって葛西を代表する系統となった。さらに、平成11年3月には100円バス[AL01](東大島駅~小松川循環)が開業している。
 この時点でも葛西橋を渡る系統と[西葛27]を除き、荒川放水路より西側に路線網が拡がる点は変わりなかった。平成12年12月の都営大江戸線全通に伴う改編で[草28]が両国駅に短縮されて[両28](両国駅~葛西橋)となり、平成13年8月には丸八通りの開通で[亀23](亀戸駅~南砂町駅)が開業したが、これらも墨田・江東区内の路線である。江戸川区内の話といえば、区の要請で平成14年4月に[西葛26](船堀駅~葛西臨海公園駅)が開通した程度であろうか。
 しかし、交通局自動車事業の経営効率化が強く求められる中、葛西にも大きな変化が訪れる。まず、平成15年4月に、半蔵門線開通の影響等で多少の余裕ができていた江東に[都07]のほとんどの運行を移管し、同時に境川の操車所を廃止した。出入庫の大幅な効率化
を考えれば葛西よりも江東に分があるが、当時は衝撃的なニュースだった。同時に[平23]が臨海から再移管されたが、車輛数も削減された。
 そして平成16年4月に、臨海の運行をはとバスに委託することとなり、臨海には城東エリアの採算性の良くない系統を中心に担当させる一方、臨海が所管していた基幹的な系統は近隣の直営営業所である葛西に担当させるということで、大規模な系統の移管が行われることとなった。このとき車輛数の調整もあってか[都07]が江東に全面移管され、同時に営業所名も葛西営業所改め江戸川営業所となった。なお、営業所のアルファベット記号は「V」を引き継いでいる。
 系統のシャッフルは以下の表の通りである。
移管前 移管後 年月
葛西 江戸川 亀24・西葛27・錦28・平28・亀29・艇10・艇11
葛西 臨海 AL01・門21・平23・草24・西葛26・秋26・船28・両28
葛西 江東 都07・亀23
臨海 江戸川 FL01・西葛20・新小21・新小22・葛西24・錦25・臨海28・新小29・新小30・艇08・艇10
臨海 臨海 新小20・葛西22・秋26
 表を見ると、元のままの所管だった系統よりも移管された系統数のほうが多いことが分かる。
 以来10年間、不採算と思われる系統を中心に臨海への移管が少しずつ進んでいった。まず[平28]を平成17年度から臨海に移管し、代わりに[錦27](両国駅~小岩駅)を江東と共管するようになった(平成21年度には江戸川単独所管に)。平成25年度からは[新小29/30](東新小岩四丁目~葛西駅・東京臨海病院)を、26年度には[葛西24](船堀駅~なぎさニュータウン)を臨海に送り、[亀23]を江東から再び所管している。
 これ以外の新たな試みとしては、平成17年4月に北葛西地区の交通改善を目的として[西葛01]を試験運行したが、残念ながら本運行にならず廃止となった。
 この結果、受け持ち系統数は減少してきているが、それにより生まれた余力で[新小21]や[錦25]などの混雑系統の増便を実施しており、車輌数はさほど減っていない。沿線の鉄道整備も完了しており、葛西地区を中心に将来も人口増加が見込まれるとあって、今後も鉄道駅を結ぶ南北系統や団地系統の重要性は衰えることがなさそうだ。

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