都営バス資料館

×有30

[有30]←[王30][王31]←[143甲][143乙]

担当営業所

青戸支所

運行区間

系統 区間 距離 備考
亀有駅北口~本町五丁目~足立区役所 5.330/ 5.630km

年表

系統 年月日 営業所 距離 概要
143甲 S45. 3.21 千住 13.950/13.650km 王子駅~亀有駅北口が開通、東武と共同運行
143乙  S45. 3.21 千住 12.740/12.700km 王子駅~綾瀬駅が開通、東武と共同運行
143乙 S47. 2.22 千住 12.760km 綾瀬駅の終点ループ経路を変更
王30・31 S47.11.12 千住 ***  新系統番号化。143甲→王30、143乙→王31とする
王30折 H1ごろ? 千住 中央本町庁舎(現足立区役所)~亀有駅北口を開設
王31  H 2.12.20 千住 ***  王子駅~綾瀬駅を廃止
有30 H15. 4. 1 千住 5.330/ 5.630km 亀有駅北口~足立区役所に変更短縮、東武との共同運行を解消、有30とする
有30 H18. 4. 1 青戸 *** 青戸に移管、はとバスに運行を委託
有30 H25. 4. 1 青戸 *** 亀有駅北口~足立区役所を廃止

路線概要

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 足立区役所~亀有駅北口を環七経由で結んでいた。同一区間に東武バス[足35]が走っているが、あくまで同一区間を走っているというだけで共同運行というわけではない。
 平成8年に足立区役所が千住から中央本町の現庁舎に移転した際、区役所前にそれなりの規模のバスターミナルが設けられた。都営バスのほか東武バスや日立自動車交通など様々な事業者の系統が数多く乗り入れるが、[有30]は、その中でも朝夕のみ数本と運行回数の少ない系統であった。
足立区役所の構内では、庁舎から一番遠く国道4号線に近い場所にある停留所から発車する。構内をぐるりと回って国道4号線へ出て、続けて足立区役所前停留所に停車。停留所間の直線距離より実走行距離が長いため、乗り遅れたとしても走れば乗れる程度の距離である。そして小右衛門町を過ぎ、梅島陸橋交差点を右折して環状七号線へと進む。
環状七号線に入るとバスは流れに乗るように走って、停留所に停まって……と時間調整を繰り返して走る。それもそのはず、この路線のダイヤは環七が渋滞した状態を想定して時刻が組まれているため、渋滞が無いときには流れに乗って走ると早着してしまうためである。そういう事情から、基準停留所で5分停車してみたり、流れをよそにマイペースでノンビリ走ってみたりする乗務員もちらほら……。
沿道にはロードサイド店やマンションが建ち並ぶが、西加平橋停留所を過ぎ、しばらく走ると突如円形の物体が車窓左側に現れる。これは首都高速6号三郷線の加平ランプ(加平出入口)で、首都高と環七とで高低差があるため、出入路をループ状にして処理しているために独特の形状となっている。
綾瀬警察署停留所は地下鉄千代田線北綾瀬駅の最寄り駅であるが、北綾瀬駅前とか北綾瀬駅入口と名乗っていないのは、大人の都合だろうか(廃止後にロードサイド店舗の都合で停留所自体が廃止されてしまった)。そして東和五丁目停留所を過ぎるとバスは大谷田陸橋側道を走らず、陸橋を一気に走り抜ける。
余談だが、大谷田陸橋の脇にあるマクドナルド環七大谷田店には、パーティーバスというイギリスの2階建てバスを模したパーティールームが併設されていた。このバスを作ったのは北村製作所で郊外型のマクドナルドの店舗で比較的見かける事が出来た。しかし野外においてあったために、環七大谷田店のものは2008年頃に撤去されてしまったという。
前方に常磐線の高架橋が見えてくると、駅前ロータリーへ向けて右折、亀有駅に到着である。なお、亀有五丁目~亀有駅北口は往復で経路が大きく異なっており、亀有駅行きは常磐線高架脇の降車専用停留所で
終点となり、亀有駅発は駅前の商店街を走り、一方通行の道路を通り抜けて環七に出るようになっている。

歴史

 元々は環七の開通に合わせて、[王49](王子駅~千住車庫)とともに昭和45年に運行を開始した[王30]王子駅~亀有駅が発祥である。東武バスと共同運行を行い、足立区の東西連絡を担っていたが、昭和末期以降は本数がどんどん減り続けた。環七の渋滞が激しくなったということも、そして元々需要が少なかったということもあるのだろうか。[王30]の項も参照。
 ついに平成15年4月の改編で足立区役所を境に分割され、亀有側が[有30]足立区役所~亀有駅となった。運行回数はわずか平日8往復、分断することで[王49折](王子駅~足立区役所)の本数を底上げし、亀有駅側にも一応足を伸ばすという方針とみえる。既に平成初期から[王30]の出入庫として亀有駅北口~足立区役所(開設当初は中央本町庁舎)が走っており、その系統を活かすこととなった。
 方向幕の色は橙色地になったが、理由はよく分からない。[王49折]は本線との区別で橙色地になったが、勢い余ってこちらまで橙色指定になってしまったのだろうか。足立区役所で系統を区別する意味では橙色以外が良かった気もするが。
なお、東武は[王30]の名で王子駅~亀有駅北口の間を相変わらず走っている。といっても運行回数は2往復にまで減らされており、王子駅への乗り入れの確保や、西新井大師への臨時輸送の下地も兼ねて運行を続けているのだろう。
それ以外にも、東武は[足35]足立区役所~亀有駅という[有30]と同一経路の系統を運行している。系統番号が違うというのも不思議である。ちなみに本数はこちらも現在では2往復。
その後、[有30]は朝夕のみ6往復にさらに削減され、平成18年には青戸に移管された。このとき、出入庫は千住車庫~足立区役所の営業運転から亀有駅北口~青戸車庫を回送するように改められた。方向幕の橙色地は変わらずだが、この時点で1台の車が行ったり来たりを繰り返すだけのダイヤになっており、極限まで減らしていたが、その維持も最早不要という判断なのか、平成25年3月限りで全線廃止された。確かに、分断当時と比べ、区役所~綾瀬近辺を中心に足立区主導の「はるかぜ」が各種運行されるようになっているのだが、環七通りの足立区東部を走破するバスはほかにない。

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