都営バス資料館

×112

[112]

担当営業所

練馬営業所

運行区間

系統 区間 距離 備考
鷺ノ宮駅~都立家政~江古田2~小滝橋車庫~新宿駅~四谷見附~新橋駅 17.332km
江古田2~小滝橋車庫~新宿駅~四谷見附~新橋駅 14.132km

年表

系統 年月日 営業所 距離 概要
112 S23.10. 1 練馬 17.332km 鷺ノ宮~新宿駅~新橋駅が開通、関東・西武と相互乗り入れ
112 S44.11.16 練馬 *** 鷺ノ宮~新橋駅を廃止

路線概要

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 新橋駅から新宿駅・哲学堂を経由し、西武新宿線の鷺ノ宮駅を結ぶ系統である。都営・西武・関東の3社の共同運行だった。
 新橋駅を発車すると、外堀通り・新宿通りを経由して新宿駅へと向かう。[橋78](新橋駅~新宿車庫)と同じように赤坂見附から四谷見附を左折して四谷・新宿追分を通るが、新宿駅付近の形態が面白く、郊外方面は一旦新宿駅西口に乗り入れて小滝橋方面に向かうのだが、小滝橋方面から来たバスは新宿駅を入らずに大ガードを左折し、直接新宿駅東口に向かっていたようだ。
 ここからは現在も残る関東バス[宿02](新宿駅西口~丸山営業所)と同じように小滝橋通りを北上し、大久保駅を右に、淀橋市場を左に見て突き当たりの都営バス小滝橋車庫を左折する。車庫を過ぎるとすぐに右折し、下落合駅から聖母病院前を通り目白通りに出る。ここから現在の[池65]と同じく新青梅街道に入って西進し、江古田二丁目で大半が折り返す終点となる。なお、関東バスが運行に加わっているにもかかわらず、[池65]と同じく関東バス丸山営業所には停まらなかった。関東以外にも西武が入っていたためだろうか。
 江古田二丁目からはさらに新青梅街道を西に進み、環七を越える。鷺ノ宮駅入口で中杉通りを左折し、鷺ノ宮駅にて終点となる。

歴史

 昭和23年10月の改編で誕生した。京王との共同運行だった[111](新橋駅~下高井戸→[橋78])と同時の開業で、新橋~新宿の経路はほぼ同じである。開通当初から西武・関東との3社共管であった。
 都心~郊外の相互乗り入れの黎明期はほぼ全系統が東京駅を発着したが、東京駅の乗り入れ容量の問題やターミナルとして都合が良かった側面もあったのだろうか、新橋駅発着となった。
 [112]は新青梅街道に出るならば目白駅から出たほうが素直な線形だが、既に[108]新橋駅~石神井公園駅)があることや、現在も関東バス[宿02](新宿西口~丸山営業所)が同じ路線を通っていることからも分かる通り、結びつきの強い区間を走ることで集客を目指したのだろう。新宿駅~小滝橋は関東バスの前身の一つである関東乗合が昭和7年に開業した歴史ある区間で、終戦後も昭和22年5月には新宿駅~哲学堂を含む区間が復旧するなど、重要度の高い区間であった。むしろ、新宿駅~丸山の既存区間を活かしつつ都心に乗り入れた、と言った方が正確かもしれない。
 ただし、丸山(現江古田二丁目)折り返しが7割を占め、鷺ノ宮駅まで来るのは1日20往復程度と僅かな本数だった。丸山~鷺ノ宮駅の区間は西武新宿線から徒歩圏といえ、バスの需要が見込めなかったのかもしれない。昭和35年の調査では、都営バス単独の回数で東京駅~丸山が60往復、そのうち東京駅~鷺ノ宮まで足を伸ばすのは10往復程度となっていた。
 そして、共同運行の3社とも昭和40年代に入り非効率な長距離路線を中心に縮小する流れが加速する中で、昭和44年11月に全線廃止となった。同時に開通した系統も廃止された系統もなく、単独での廃止となっている。この年の都営バスの改編といえば大胆に都電代替が行われた10月26日だが、本系統廃止だけ日付がずれているのは協議の都合なのだろう。
 なお、昭和39年12月より関東バス単独で新宿駅西口・伊勢丹~丸山営業所~江古田駅を開通させており、[112]廃止後は新宿~丸山の区間がそのまま関東バス単独で残った。昭和49年8月に[宿02]新宿駅西口~丸山営業所に短縮され、現在に至るまで残っている。
 対して丸山以西の新青梅街道沿いは昭和40年半ばに他の系統も廃止され、江古田四丁目~環七の区間は出入庫の[高70](高円寺駅北口~丸山営業所)が僅かに通るのみ、そこから西側は長らく路線バス不毛地帯となっていた。中野駅と沿線の交通不便の解消を目的として、平成17年に中野区のコミュニティバス「なかのん」(中野駅~八成小学校)が開業したことによりバスが復活したものの、区の助成が切れた平成25年は減便される等、先行きはあまり明るいとは言えないようだ。

鷺ノ宮駅

 西武新宿線の高田馬場駅を出て次に停まる急行停車駅である。住宅地の中にあり、駅の南側には妙正寺川が寄っているため駅前は狭い。駅前を中杉通りが南北に通り、現在は関東バスの[阿01][荻06]阿佐ヶ谷駅・荻窪駅~中村橋駅などが頻繁に通っている。停留所は踏切を挟んで南行きが駅北口に、北行きが駅南口に設置されているが、[112]が折り返せるようなスペースは見当たらない。 
 かつての航空写真においても、駅の北口は住宅密集地で折り返せる余地があまりないが、現在は歩行者専用となっている駅前広場から中杉通りに出る道を使って折り返していたと考えるほかなさそうだ。

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