担当営業所
千住営業所
運行区間
系統・枝番 | 起点、経由地、終点 | 備考 | キロ程(往/復) | 平日 | 土曜 | 休日 | |||
→ | ← | → | ← | → | ← | ||||
王49 | 千住車庫~島根3~西新井大師~上沼田団地~北区神谷町~王子駅 | 10.150km | 46 | 47 | 35 | 37 | 30 | 30 | |
王49折返-3 | 江北駅~北区神谷町~王子駅 | 6.510km | 3 | 3 | |||||
王49折返 | 足立区役所~島根3~西新井大師~上沼田団地~北区神谷町~王子駅 | 9.980km | 19 | 18 | 21 | 19 | 15 | 15 | |
王49出入 | 千住車庫~足立区役所 | 1.400km | 6 | 7 | 1 | 2 | 1 | 2 | |
王49折返-2 | 足立区役所~島根3~西新井大師~女子医大~ハートアイランド東~王子駅 | 12.186km | 5 | 5 | |||||
王49折返-4 | 足立区役所~島根3~西新井大師~女子医大~北区神谷町~王子駅 | 11.070km | 3 | 3 |
現在
年表
系統 | 年月日 | 営業所 | 距離 | 概要 |
79 | S45.3.21 | 千住 | 12.410km | 千住車庫~鹿浜橋~王子駅~西ヶ原~駒込駅が開通 |
王49 | H3.11.29 | 千住 | 10.150km | 南北線の開業により王子駅~駒込駅南口を短縮 |
王49折 | H15.4.1 | 千住 | *** | 王30の分割により、王子駅~東部病院~足立区役所を開設 |
王49折 | H22.4.1 | 千住 | *** | 王子駅~ハートアイランド東~足立区役所を開設、平日昼のみ |
王49折 | H28.4.1 | 千住 | *** | 王子駅~上沼田団地を廃止、王子駅~江北駅を開設 |
王49折返-2 | R 4. 1. 4 | 千住 | 12.186km | 足立区役所~東京女子医大足立医療センター~ハートアイランド東~王子駅を開設 |
王49折返-4 | R 4. 1. 4 | 千住 | 11.070km | 足立区役所~東京女子医大足立医療センター~北区神谷町~王子駅を開設 |
路線概要
王子駅から北本通り・環七を経由し東側に向かう。本線の千住車庫行きと折返名義の足立区役所が主に運転されているほか、平日昼間には王子~新田地区でハートアイランドを経由する便も運転される(足立区役所発着のみ)。これ以外に朝ラッシュ時は王子駅~江北駅の折り返しがあるほか、足立区役所~千住車庫の短距離の出入庫もあり、いずれも[王49]を名乗っている。
令和4(2022)年1月からは、東京女子医大足立医療センターの開院に伴い、足立区役所発着便の一部が平日に限り医療センターを経由するようになった。北区神谷町・ハートアイランド経由のいずれも運転されている。
これ以外に以前は東武バスとの共同運行で環七をさらに進む[王30]亀有駅北口、[王31]綾瀬駅という系統も運行していた。
路線紹介
王子駅を出発した[王49]は、北本通りを赤羽方向へと進んでいく。古くは駒込駅から発車して王子駅を経由していたが、駒込駅発着については歴史やコラムの項目を参照のこと。
王子四丁目停留所の先、王子消防署交差点で平日日中のみ運行されるハートアイランド廻り便は右折となり、本線である北区神谷町経由はそのまま直進する。
環七の陸橋が見えてくると宮堀交差点。バス停名は北区神谷町で、ここを右折して環七へ。夕方のラッシュ時は右折待ちで何回か信号待ちをすることも珍しくない。
陸橋と合流し、隅田川を渡ると足立区の新田地区へ。地勢的には北区に組み込まれても不思議ではないが、北区と足立区の区境は元からあった隅田川で定め、後から荒川放水路が開削されて今のような姿になったためである。
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足立区というと千住や西新井方面をイメージされるからなのか、新田地区に建設されるマンション物件の広告には「足立区」という文字が非常に小さくかかれ、「王子駅までバス○○分」「地下鉄南北線で都心直結」といったうたい文句の方が目立つ。
隅田川を渡ると環七新田。都営バスで通り名+地名の組み合わせでの停留所はここだけであろう。西葛西のほうの新田と区別したかったのだろうか。
新田一丁目交差点では[王55](池袋駅東口~新田一丁目、北の巻参照)と同経路で新豊橋・ハートアイランド経由で進んできたハートアイランド廻りのバスと合流する。
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鹿浜橋で荒川を渡り鹿浜地区。橋を渡ったところの両側には貸切バスの営業所があり、西新井方向に向かって左側が桜交通東京営業所、右側が東京ヤサカ観光の鹿浜車庫である。江北陸橋が見えてくると側道上に江北陸橋下停留所があるため側道を走る。江北陸橋下で日暮里舎人ライナーの高架下を抜けるが、ちょうど江北駅と西新井大師西駅の中間地点に交差点があるため、日暮里舎人ライナーの駅までは多少距離がある。
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西新井一丁目の交差点で[王40]と合流し、程なく西新井大師前停留所。正月の初詣時期ともなると非常に混み合う停留所だ。左手には東武の西新井駅や東武バスセントラルの西新井営業所があり、歩いてすぐ乗り換えも可能だ。
西新井陸橋停留所の先で東武線を陸橋で越えるが、陸橋前後の西新井陸橋・梅島三丁目のいずれも西新井駅までは少々距離がある。西新井駅に向かう流れが強いため、そういう面では並行するバスに比べると[王49]はやや不利ではある。
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島根三丁目の先の島根交差点で足立区役所行と千住車庫行が分岐する。車庫行は右折し日光街道旧道を進んでいく。東武線の梅島駅で同名のバス停で連絡し、高架下を抜けるとエル・ソフィア前。変わった名だが、由来については後の項参照。[草41]の足立梅田町の最寄停留所でもある。ここを過ぎればそこから数分で千住車庫に到着する。
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一方の足立区役所行きは島根交差点を直進し、島根交差点を過ぎると東部病院に停車する。足立東部病院の最寄りだが、区役所方向の停留所からはやや離れている。ちなみに、足立区内の都営バスが通るバス停では北部病院もあるが、そちらは「東京北部病院」の名で運営団体も別々で、特に関連性はない。
梅島陸橋の交差点を右折し、国道4号線を南下する。前方の歩道橋がある交差点を左折すると足立区役所に到着である。
ここから千住車庫までの短距離の出入庫系統も存在する。足立区役所行きがそのまま化けるもので、[王49]以外にも[草43][北47]の出入庫としても使われているが、[王49]名義となっている。後の項も参照。
路線の歴史
足立区内の環七の整備とともに昭和45年3月に3系統がまとめて開通した。都営単独の[79](駒込駅~王子駅~千住車庫)、都営・東武共同運行の[143甲](王子駅~亀有駅北口)、[143乙](王子駅~綾瀬駅)である。いずれも千住担当。昭和47年の新系統番号化でそれぞれ[王49][王30][王31]と名乗るようになった。経路が完成されていることもあり、経路変更も特になかった。
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昭和61年現在では[王49]が61往復、[王30]が30往復、[王31]が5往復運転されており(これ以外に東武バス便が[王30]20往復、[王31]5往復を運転)、乗客数は3系統合わせて10,000人弱/日(東武除く)とそれなりの数があったが、収支係数は[王30/31]が130前後、[王49]が120前後とやや赤字系統だった。環七を長く走ることもあり、渋滞で時間が読めないことも多かったのが痛いところだった。
平成2年12月の再編で、乗客の少ない綾瀬駅発着を廃止して亀有駅発着に一本化したが、[王30]は減便と乗客減という負の循環が止まらなくなっていく。平成2年には平土41回・休日50回、南北線開業を経て平成4年4月改正では平土33回・休日37回、平成10年頃に平土21回・休日24回と10年で激減した。昭和末期は3,500人/日前後で下げ止まっていた客数は記録に残る平成5年度で2,462人/日に減っており、その後も下げ幅が大きかったのだろう。なお、本数が減った以降も、都営:東武が2:1で運行していたのは変わらないようだ。
それに比べると、[王49]は存在感を増していった。昭和末期には王子駅~上沼田団地の折返が設定され、本数も増えている。平成3年11月には南北線の赤羽岩淵~駒込開業で王子駅以南を切り捨てたが、本数はほとんど変わっておらず、乗客数も平成2年度の6,256人/日→平成5年度の5,372人/日とそこまでは減っていない。[王30/49]のいずれも使える区間の客が[王49]にシフトしたとも考えられる。
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その後も足立区側の宅地化の進展からか、運行回数は微増している。平成13年5月改正では始発の繰り上げ(千住車庫6:20→5:57)や終車の繰り下げ(王子駅22:17→22:40)も実施された。
平成15年4月の再編で[王30]はついに分割された。王子側は[王49折返](王子駅~足立区役所)として[王49]に合併され、亀有側は[有30](足立区役所~亀有駅北口)となり、僅かな本数が運転されるのみとなった。ここから先の[有30]はこちらを参照。なお、東武単独で[王30]の運転が残ったため、都営は撤退という扱いになった。
本数も大幅に変動し、[王30]・[王49]を合わせて乗客に見合った本数にしたため、使用台数は合理化された。平日を中心に[王49]千住車庫行きが削られ、足立区役所行きが増加した。東部病院付近の利用客は便利になったが、梅島駅近辺では穴が空くようになったとも言える。その後の変化はほぼなく、平成22年には平日昼間のみハートアイランド経由が新設され、平成29年に上沼田団地折り返しが江北駅になった程度だ(後述)。
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だが、平成18年、22年春改正などで微妙に本数が削られている。乗ると混雑しているように見えるのだが、平成27年度の乗客数は5,336人/日で営業係数は128、損益は9千万円超の赤字とやや目立つ存在だ。乗り通す距離が長いので効率が良くないのだろうか。途中のターミナル西新井駅へは、ライバルの国際興業が頻発するようになったのも見逃せない。さらに収支均衡に向かうような動きになるのか注目である。
上沼田団地止まり
昭和63年頃に平日・土曜に設定された。王子駅→上沼田団地の需要が大きいのではなく、混雑する朝の王子方向の回転率を高めるための設定だった。そのため、始発近くの便は王子駅到着後に上沼田団地行きで1往復して、限られた台数で上沼田団地から王子駅まで7~8時台の6~7分間隔を実現していた。
本線の増発ととも3回に減り、平成15年4月の分断再編で全廃されたが、やりすぎだったのか6月の修正で平日朝1回が再登場する。平成17年3月改正で3回に戻り、以降は本数が変わっていない。
当初は江北陸橋で折り返していたようだが、少なくとも末期は上沼田団地降車後、次の上沼田交差点を左折して上沼田第三アパート脇で待機し、道路を回り込んで環七に戻るようになっていた。平成28年4月の改正でそれを改め、江北駅のロータリーまで営業運転するように延長された。ポールが余っているのでせっかくなら有効活用しよう、ということだろうか。
ハートアイランド経由
平成22年春の改正で平日昼間のみ数回設定され、元々の北区神谷町経由の区役所行きがその分シフトした。新興住宅街のハートアイランドから区役所連絡を目的としているのだろう。方向幕は黄色地で、LEDは[王55](北の巻参照)と同じくハートマークが大きく系統番号枠に入っている。このときに新調された幕は「ハートアイランド廻り」「北区神谷町経由」と経由表記が風変わりなのが面白いところ。フルカラーLEDだとハートマークが出るようになっている。
橙大好き
平成15年の改編で、[王49折返][有30]、そして足立区役所から千住車庫の出入庫として[王49折返]の名義で新たに営業運転することになったが、全て橙色地の方向幕となった。同時期に延伸した[里48乙](日暮里駅~舎人二ツ橋)もそうであり、一気に橙色地が足立区内で増殖した。
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本来、幕の色は行き先だけでは分りにくいときの区別として使われるものである。そういう意味では、[王49]の足立区役所行きがそうなのは区別の意味で正解だが、足立区役所構内で見た場合は、王子駅・亀有駅北口・千住車庫行き全てが橙色地で、果たして意味があるのだろうか、という感もある。結局この3系統の方向幕は最後まで橙色地のまま変わらずであった。
足立区役所~千住車庫はせっかく回送するよりは…ということでサービス営業しているのだろうが、運転区間が短すぎるため乗客の姿はほとんど見たことがない。王子駅から通しで区役所経由千住車庫行きにしても、そこまで需要があるかは謎なのと、元々の千住車庫行きと乗り間違いが増えそうだろう。なお、[北47]や[草43]の足立区役所発着の出入庫でもこの表示が使われている。
環七のライバル
[王49]が環七に入ると、北区神谷町から西新井の陸橋まで並走するのが国際興業の[赤27](赤羽駅東口~西新井駅)である。途中の椿二丁目までは[赤26](赤羽駅東口~舎人団地)も並走している。
かつては西新井駅の乗り入れに制限がかかっていたこともあり、[赤27]は陸橋下の西新井警察署(現・西新井陸橋)で終点となっており、駅まではしばらく歩く必要があった。本数も [赤26/27]合わせて交互に15~20分間隔だったため、西新井側は40分空くことも珍しくなかった。
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それが平成14年1月の改正で西新井駅に全便乗り入れ、深夜バスも運行を開始した。積極策が功を奏したのか、平成15年11月には椿二丁目まで昼間15分等間隔に、平成18年6月改正では10分等間隔と大増発され、西新井側も20分等間隔と使いやすいダイヤになった。[王49]の伸び悩みはこの影響も無視できないだろう。なお、環七西側の[王78](王子駅~新宿駅西口)・[赤31](赤羽駅東口~高円寺駅)ペアとは異なり、この区間で国際興業との共通定期券は設定されていないほか、[王30]の分割時に[王30]・[王49]の王子駅~島根三丁目の共通定期の設定も消えている。
エル・ソフィア
千住車庫手前にある、風変わりな停留所名「エル・ソフィア」。これは梅田地域学習センター・梅田区民事務所・男女参画プラザが入る総合施設の愛称で、それ以前の名は梅島支所→(昭和62年頃)梅島八丁目→(平成3年)女性総合センターと移り変わり、平成15年に現在の名前になっている。エルは外国語の冠詞ではなく、正しくは「L・ソフィア」。LはLove(愛)・Lady(女性)・Life(生涯)・Lesson(けいこ)を、ソフィアはSophia(知恵;ギリシャ語)を意味し、それぞれの施設内容を表現しているとのことだ。今の停留所の看板はローマ字表記も由来に合わせて「L Sophia」となっている。